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マイクは幾つか種類があります。コイルを巻いて製造するダイナミックマイクは民族的な個性が出やすいものです。原音に近いより鮮明な音を録るためには静電気を使うコンデンサーマイクがあり、これは電源の供給が必要で、内蔵のアンプに真空管を使うものは現代でも製造され専用の電源を付属する高グレード品もあります。トランジスタ以降のほとんどのものは共通規格化されたファンタム電源という48Vの電源を使います。リボンマイクという共鳴板を吊った構造のものは、落とすと壊れやすい、立てて保管、出力がかなり小さいので増幅に専用のアンプが必要などの諸問題で廃れましたが、声を録るのに最良と評価され再生産されるようになっています。
録音で一番簡単なのはポータブル機を使うことで、以前は会議用のものしかありませんでしたが、最近はコンサートも録音できるような高性能なものもあります。マイクから各種回路を通って記録されるすべての流れがすでにメーカーの方で構築されていますので、多くの機器を使う場合の相性の問題を考えることがありません。内蔵マイクだけでなく外部マイクも2本ぐらい挿せるものが多くあります。コンパクトであるゆえのメリットは少なくないし、録音技師がスタジオ以外で録音する時にも使う場合があり、商業用録音(CDを作って販売するなど)でも問題ないクォリティです。この機器自体をマイクスタンドに設置して録音することもできます。一方、一体で完成しているのでカスタムする自由はありません。ヘッドルーム(後述)も高くはありません(中国音楽では問題にならない?)。それでもモバイル電源で高クォリティの録音ができるのですから素晴らしい機器だと思います。
中華のマイクで大手は、飛楽、得勝があります。得勝の方が歴史があって格があるようですが、80年代に鄧小平による資本注入でメジャーになった飛楽の方がハイエンド品を多数作っています。得勝は普及品か外国OEMが主です。両社は現在コンデンサーマイクしか製造しておらず、ダイナミックマイクは製造していません。中国のダイナミックマイクは北京797音響が作っています。北京の旅行用ガイドブックに「798芸術区」という街の一角が美術館のようになっているところが紹介されていたりしますが、その隣の797通りには今でも797音響の建物があります。
中国で最初のラジオ放送は1920年代上海で米国人と中国人が共同で設立したラジオ局が始まりでした。アメリカからのラジオの部品を組み立てて販売していました。普及は急速で、1930年代にはすでに10万台のラジオが上海の家庭に設置されていました。1949年10月1日の中華人民共和国建国宣言の時には天安門楼上にて中華産のマイクが使われていました。冷戦時代には英米から、そしてソ連からさえ敵視されたので工業は自国生産が急務となり、50年代以降は多くの中華製ラジオが生産されました。特に上海に多くの工場があり、それらはドイツ-ソ連式で工場ごとに連番で区別されていました。そのうち上海無線電19廠が現在の飛楽です。かつては上海製造のスピーカーユニット全ては飛楽牌を使っていたので、当初は他の廠製造のものもありましたが(写真例では11廠)、後にマイク、スピーカー生産は19廠に集約され、そのまま民営化されました。
戦前の音響は米国とドイツが牽引し、戦後になってもその覇権はしばらく揺るぎませんでした。しかし英国も米ウェスタン・エレクトリック(WE)子会社ロンドン・ウェストレックスからスタートし、当初は技術を輸入しても、やがては改良してゆくことで独自のサウンドを確立しました。1929年 英コロンビアの研究部門(後のEMI中央研究所)が、米WE電話部門に在籍経験のあったアラン・ブラムライン(1903-42年)を招き、可動コイルを実用化させました。これはすぐにリボンマイク(写真はブラムラインと第二世代マイク)、ダイナミックマイクの発明に至りました。その後ブラムラインは実用化が困難だったステレオも成功させています。ダイナミックマイクは米国やドイツでも多く生産されるようになりましたが、英国は長年リボンマイクの方を追求してきました。しかしNHKが最初期に邦楽の録音で重用した英国製マイクはマルコーニ社製造によるコイル型マグネットマイク(写真)でダイナミック型でした。巨大なマイクで、柔らかいものを敷いてその上に安置していた様子が写真で残っています。大日本帝国軍によってアナウンスで使われている様子も残っていて、邦楽の録音では必ず高さが微妙に調節できるような台に乗せられていました(低くすると低域を強化)。他にも10名ほどの邦楽器の楽団の演奏をこのマイク1つ、といってもこれだけ大きいと非常に目立ちますけれども、これを鎮座させて、その前で皆んなで演奏していたような様子も残っています。国立国会図書館の歴史的音源アーカイブで八橋検校作六段の調を聴くことができます。インディクスに書かれていませんがこれはマルコーニの音で間違いないと思います。雅な雰囲気です。このようなものから始まって徐々に国内で生産されるようになっていきました。
日本も技術は主に米国からでしたが、英国と同様リボンマイクの製造に力を入れています。島国ではリボンマイクの方が好まれるようです。
日本にはNHKとSONYが共同開発したC-38B(右写真)というマイクがあって漫才などで使われたりしていますが、リボンマイクが徐々に製造されなくなって以降は邦楽を適切に録音するのはこれが最良だと言われて今でも生産されています。ジャズだったら米、クラシックだったら独、ロックだったら英と、どうしても民族性というものが出てしまいます。欧米には優れたマイクが多いですが、それでも二胡を録音するのであれば、中華を除けば日本製がより合うのかもしれません。音楽用であれば、オーディオテクニカ、高精度なサンケンといった老舗のメーカーから、大阪の小規模な工場で作っているORB(オーブ)などがあります。設備用では弦堂の所在地の宝塚市にTOAがあり(本社は神戸に移転?)、小中学校や阪急電車の放送設備に納入されているので関西では馴染まれているサウンドです。高性能ダイナミックマイクもあります。
中華の音楽には中華のマイクを選択したいところですが、表現の意図によっては日本のマイクを使いたいということもありそうです。SONY C38Bは和楽器に最適ですが、中国楽器にも合う、BTS(放送技術規格)準拠の優れたマイクです。他にはオーディオテクニカがリボンマイクを製造していますし、サンケンも含めてこのあたりがハイエンドになりそうです。C38Bは使い方がいささか複雑です。ネットの所でダイヤフラムの後ろ側からマイナスドライバーで単一指向性と無指向性を切り替えできます。コードの軸は回転スイッチになっていてSONYマークの下のガラスの丸いウィンドウの表示が切り変わります。(内蔵電池の)電源OFFと4段階のイコライザー、M,M1,V1,V2が選択できます。Mはミュージックで、Vはボーカルです。電池ボックスを開けると2つのスイッチがあります。1つはPadで打楽器のような大音量が入るような録音で-8dBにして音量を下げるスイッチです。もう1つはハイカットです。下のグラフでは緑の丸で示してあるあたりで下降します。
ソニーの説明では「5,000Hz以上で徐々にロールオフとなります。音源によってシャリついたり、耳障りな場合に有効です」とあります。4段階のイコライザーはローカットでMはフラットです。ソニーの説明では「ローカット調整は、スタジオの音響特性、接話などマイクアレンジによる近接効果で音質がブーミィに感じられる場合や、風雑音を減少させたり、スピーチの明瞭度を上げたいときに便利です」とあります。二胡は人間の声に近いのでVでも合うかもしれません。カットはM1(70Hz),V1(140Hz),V2(280Hz)で設計されています(-3dBの位置)。ソニーの説明では「4段階に分かれ、50Hzの減衰量はBTSの0.1.3.5に相当します」とあります。それは青の丸ですが、50Hzの時にBTS規格でMと比較して-6dBなので音量は1/2で減衰量はBTSの1、以下音量が1/4で減衰量がBTSの3、音量が1/10で減衰量がBTSの5になるように設計してあるという意味です。イコライザーをV2,ハイカットも入れると電話や蓄音機のような特性になります。長時間聞き疲れしない音になります。こういう特性というのはマイクの方で固定で持っているか、エンジニアがイコライズするのが普通だと思いますが、マイクに選択式で内蔵されているというのはあまりありません。マイクというのは便利さとか守備範囲の広さよりも音質が重要なのでそれぞれの特性で専用のマイクを用意して専門化させているのが普通です。安価なモデルにはこんなに多彩なイコライザーは入れられないし、ローカットだけだとドイツにもっと多段のモデルもありますが、ハイカットまで付けているのは珍しいものです。独ゼンハイザーにハイブーストというのはありますが、カットのスイッチはなかなかないと思います。C38Bはマイク単体だけで放送局の要望を全部聞いたという感じがします。
北朝鮮では放送・レコーディング機材、民生カラオケなどの音響機器のメアリ音響社(메아리 음향사)が平壌・楽浪にあり、設立は1991年です。メアリはエコー、反響の意です。楽浪は紀元前より中華の総督府が置かれていた古代の遺跡があります。放送・レコーディング用マイクとしてはMeari ECM319シリーズがあって日本でも過去に取り扱っていた商社が新橋にありました。これはエンジニアの葛巻善郎さんがオーディオテクニカのマイクと一緒に多用しています。レコーディングを解説する氏の本を購入するとCDが付録としてついてきて実際にMeariを聞くことができます。しかし2010年代に入って中国も含め、国外で全く見当たらなくなり、もしや閉鎖されたのかと思ったのですが、しかし朝鮮中央放送で使われているのが令和元年時点で報道などで確認できます。
ダイナミックマイクがあればすぐに買っていたのですけれどもコンデンサーマイクしか製造していないので購入には至っていません。トランス・コイル関係もないようです。
ダイアフラムが大きいマイクは二胡と相性が良さそうです。ラージダイアフラムの定義は直径1inch(25.4mm)以上で、現行の多くは中国製です。ほとんどはコンデンサー型で、一部ダイナミック型もあります。中国飛楽のほとんどはラージダイアフラムですがすべてコンデンサー型です。50~70年代のドイツでは幾つものメーカーがラージダイナミックマイクを作っていたのでヴィンテージものが結構見られます。AKG(アーカーゲー) D12が有名です。この技術はイタリアにもライセンスされていたので、イタリア製もあります。以前うちに伊Krundaal Davoliのものがありましたが、これは代官山のある録音スタジオに売却しました。後継品ではゼンハイザー SENNHEISER E906になります。同じゼンハイザーではこれもラージになると思いますが、MD421は比較的二胡には合うと思います。ドイツは欧米物の中でも東洋音楽に比較的合いやすいと思います。米物ではエレクトロボイス Electrovoice RE20も名機として知られています。コンデンサー型ではAKG C414が有名です。ドイツ系ですがこれは二胡には合わないような気がします。
世界で一番使われているマイクはおそらくシュアー Shureと思われます。SM58(二胡には合わない?)、楽器用のSM57などがあります。シュアーのこれらのマイクは内部にシリコンが充填されており、投げつけようが踏みつけようがまだまだ使えるタフネスを持っています。テレビとかライブなどの制作会社であれば、それなりの人数を動員し、中にはアルバイトもいます。マイクは楽器です。扱いを指導すればいいのかもしれませんが、時間に追われた慌ただしい現場で確実に結果を得る、ミスは許されないという環境で絶対大丈夫なマイクは重宝されます。業務ユーズとしては安いし現場に求められる要素を満たしているものとしてラスベガスから大量発注を受けたことで評価を確立したとされています。かつての米国製造のものは素晴らしかったと言われ、当時で価格は4万円ぐらい、今は1万そこそこで中国製、或いはメキシコ製ですが、要求されているものも時代によって変わっているのでしっかり対応しているという意味で優れたものということは言えると思います。今でも米国製のヴィンテージは高額で取引されています。ステージ用マイクですが、プロのエンジニアが録音ノウハウを教える本とか雑誌の記事には定番的にシュアーのこのあたりのマイクが出てきますので情報は多くあります。中国ではSM58のコピーも売っていますが、違う型番を付けているが外観が本物と同じものが北京797音響から出ていて、価格も同じ、おそらく中身も同じであろう、ここがSM58の中国における製造元なのではないかと思うし、中国で優秀なダイナミックマイクは現代ではここしか作れない筈です。
バンコクでタイ製SM58も見たことがあります。タイ製は外観が大抵の人が見たらすぐわかる程度に変えてあって違うものであることをはっきりさせていますが型番は58です。これは販売品ではなく演奏会場?で使っているのを間近で見ただけなので価格はわかりません。写真のものがそれです。おそらくヤワラーの音響街に行けば同じものが容易に見つかったでしょう。
現代の世界のプロ仕様マイクはほとんどドイツ製で、質の高いマイクを使いたい場合は避けられないものです。この状況は戦後一貫して変わっていません。ソニー、オーディオテクニカや中国メーカーの方が二胡には合うと思いますが、選択肢としてドイツ物も入るということもある筈です。ドイツの音響は、古くはテレフンケンが映画専門の音響会社クラングフィルム Klangfilmを設立したところからで、戦後、UFAによる買収でクラングフィルムが事実上消滅した後、親会社のシーメンス Siemens、テレフンケン Telefunken、ノイマン Neumannといったブランドで継続されました。戦前はクラングフィルム、戦後はIRT(ドイツ放送研究所)の主導によるドイツ音響カルテルという事実上一本化された組織で運営され、戦前戦後を通じてその中心はハノーバーのテレフンケン(AEG)とミュンヘンのシーメンスでした(詳しくは次項の機材に記載)。そこからどんな主要メーカーが出たのかをここにリストします。
・テレフンケン Telefunken
・ゼンハイザー Sennheiser
・ベイヤー Beyer
テレフンケン(AEG)は80年代にデジタルへの大幅な転換を試みるも失敗し消滅、商標が幽霊化し、現在は米国資本で復活した会社なのでドイツのメーカーではない全く違う会社になっています。同社はドイツ製のヴィンテージに良いものがたくさんあります。このあたりを以ってクラングフィルムの直系という感じがします。ゼンハイザーは現代でもダイナミックマイクを製造しており最もドイツ的なマイクとして重要な存在です。
・アーカーゲー AKG
オーストリア製。ウィーンの宮廷文化を体現。AKGは同じ型番のものがテレフンケンからも出て、外観のデザインが少し違うだけといったこともあり強い関連性があります。しかし工場がドイツとオーストリアで分かれていますので個性は異なります。マイク以外のアンプなどのAKG機器はWSW(Wiener Schwachstrom Werke)による製造で、いずれの会社もシーメンスの分社です。
・ノイマン Neumann
・エールエフテー RFT
旧東独勢です。AEGのケーブル部門の監督ユーゲン・ライス Eugen Reiszが弟子のゲオルグ・ノイマン Georg Neumannを伴って独立、マイク製造会社を設立しました。1923年ベルリンで開設されたラジオ局にノイマンが開発したマイクを納入しました。1928年ノイマンはエーリッヒ・クネスト Erich KühnastとGeorg Neumann&Co.を設立し、最初の製品はベルリン・オリンピックで使用されました。1943年ベルリン空爆で工場を消失するも、ザクセン州の寒村ゲッフェル Gefellに疎開し再建、ノイマン・ボトルとして有名なCMV3が開発されました。終戦後ソ連軍の管轄下になったため、1946年ベルリンにGeorg Neumann GmbHを設立しました。戦前からノイマンの販売代理店だったテレフンケンと共同で開発を進めU47を完成させました。一方クネストは戦後もゲッフェル村に残り、Neumann&Co.の監督を務め、この頃に有名なノイマンのロゴを設計しました。共産化で56年に国の管理を受けるようになり、61年ベルリンの壁以降ノイマンは東西に別れました。東側は72年に国に接収されました。RFT(Radio Fernseh Technik:ラジオ・テレビ研究所)は東ドイツ放送の技術部門で国営、ノイマンが放送用に供給していたマイクにはRFT銘が入っています。マイク以外のアンプ類はRFZ(Rundfunk und Fernsehtechnisches Zentralamt:ブロードキャスト テレビ技術中央部門)、送信などの高周波はVEB(Volkseigener Betrieb:放送国有企業)が担っていたようで、マイクアンプのような役割分担が交じり合う部分の製品はRFT銘で出ているものもあります。
・ショップス Schoeps
・エムべーハーオー MBHO
・ディーピーエイ DPA デンマーク製
いずれも小さな企業で手工生産、かつてはシュトラッサー STRÄSSERとSchoepsがMBHOからOEM供給を受けていたようです。後にMBHOも自社で販売するようになりました。現代のオーケストラ録音で各楽器に細身の目立たない小型マイクを立てたりしていますが、それらはだいたいこれらのメーカー製か、米Earthworks製です。ステレオで全体を録るような使い方もされます。いずれも驚異的な解像度を特徴としていますが個性は異なっています。Schoepsは弦、特にバイオリンを美しく、実際の演奏より魅力的に録るとさえ言われます。MBHOは重心が低域寄りでヴィンテージ風、DPAはより立体的で原音に忠実だとされています。おそらくSchoepsは今でもMBHOの供給を受けています。しかし音は違います。こういうことは中国でもあります。中国はOEM製造会社が多いですが、自社ブランドとOEMは音が違います。
リボンマイクについては英国のものが有名です。これらは主にBBC(英国国営放送)に納入されていたマイクを製造していたのでほぼ官製会社であって、事実上全部で1つの会社と見做すこともできます。写真はColes 4038リボンマイクの使用例です。頭上に吊ってあるのが見えます。
・Coles
・STC(Marconi)
・Reslo
北京第一無線電機材廠(現:797音響)は人民大会堂など国家機関に収めていますので北京では公共の場所で使われる同廠の製品を見ることが結構あります。故宮とか天壇とか、他にはもっと市民生活に近いところでも使われています。同廠のマイクは毛沢東による開国宣言の時にも使用され現代でも同様のニーズで使われる歴史あるものですが(写真の例はCR60を6本使用)、これら北京の技術は東ドイツから技術支援されていました。外観もAKGやゼンハイザー、RFTのコピーというものが見受けられます。
写真の例はAKG D19(鉛色)と北京第一無線電機材廠 SQ1-1(銀色)で、リングの部分を回してアナウンスと音楽用に調整できるフィルターが付いているところまで同じです。SQ1-1は短期間作られたようで党宣伝部に納められました。後にCD1-2(白:周恩来、毛沢東によって使用された例も写真で残っている)で簡略化されています。上の特性図はSQ1-1のもので、下はD19です。どちらも60~70年代の製造です。特性は似ていますがサウンドは異なります。
北京797音響のキャッチフレーズは「中国之声」「传递百姓心声(皆さんの心の声を伝える)」です(注:中国語の百姓は農民という意味ではありません。民衆とも違います。民主とか共産がなかった時代の民の概念です。現代でも「物言う民衆」とは区別する意味で百姓という言葉が使われます。また地方によっては政府の高官を指して老百姓と言う場合もありますがこれは本来は戦国時代以前の古い用法です。当時は貴族だけが姓を持っていました。貴族以外は奴隷であって人間ではありませんでした。
ここで言う「百姓」は中央政府の首席から民間に至るまであらゆる人を指します)。
北京797音響のマイクは誤差が大きく、しかも50%は音が出ない不良品です。検品済みの紙は必ず入っていますが実際には検品はしていないように思います。ステレオマッチングペアも難しいです。ほぼ国営なので体質が昔から変わっていません。うちで購入してあちこちに納めたマイクはこれまでの実績でぴったり不良率50%で、ネット上の情報でも同じことを言っている人が複数います。自前で必ず検品する必要があります。担当者はいないようで、苦情が来たらそこで電話を取った従業員が即交換或いは返品対応と決まっているようで慣れているのか、かなりスピーディです。798芸術区の一角にある建物は販売ではないので通常は行ってはいけませんが、ここを指定して交換対応を受けたことがあります。販売店は平安里電子市場(新街口楽器街の南端。下の写真は電子市場内の797専門店)にありますので本来はそちらに行く必要があります(この市場は閉鎖が決まり797専門店はすでにありません。直に見れるところはおそらくなくなり、完全に業務提供、官公庁向けになっていると思います)。
価格も決して安くはなく、(本物に関しては)むしろ高価で、外国が同廠にOEMしたものの方が安価でサポートも製品も安定しています。外国のマイクでは二胡の甘さは決して録れないし、そういう特殊な?ニーズという観点から見た場合、中華オリジナルマイクはむしろ安価という気もします。
現代の企業として大改革などされても伝統色を失うなら本末転倒でそれは困るから、様々な問題には目を瞑らねばなりません。
同廠のOEMではRODEが商業的に成功してから、中国で作らせるようになった欧米メーカー製が結構出ていますが、中国音楽という基準では外国発注のものは合わないと思います。RODE NT2Aは797音響のNT2Sでチューニングが違うだけかもしれません。スペックが違っているし、RODEの高域に煌めきが出るような音作りは中国はやりません。これはどちらもベストセラー的に売れたようです。さらに独ノイマン U87という有名なマイクがありますが、797音響でその中華版と称するCR85というものも作っています。しかしこれは完全に別物、それだったら何でU87を持ち出して比較したのか中国専門家の間で疑問視されています。独ではさらにゼンハイザー MKH416と797音響のCR51がこちらはほとんど変わらないらしいという話もあります。価格も変わりません。かつてSoundeluxというハンドメイドの会社があって既に倒産しましたが、そこが作っていたU95Sと797音響のU95Sは基本同じものです。797音響が勝手に自分のところでも組み立て1/3の価格で売り出したので提携解消しましたが、それから10年以上経った今でも797音響はまだ販売しています。797音響ではこれを標準的マイクと位置づけていてそれぐらい優秀なものであるようです。しかし内部の使用パーツはかなり変わっていますので同じものではありません。考え方としては音響的には外国の開発ながらそれに旗袍を着せたようなものであろうと思われます。OEMの多くはいずれも外国には部品とか半完成品の供給だと思います。そのため大抵Made in CHINAではありません。
純中国製品は中華技術者が自国の文化に則ってマイナーチェンジしたりしますので依頼企業製とは違ってくることは普通です。無駄にコストを掛け過ぎていると思えば大胆に削ぎ落とすし、一方で外国企業のコスト圧力による品質の低さが気に入らないこともあるようで、自社で出すものは値段が上がろうとも作り替えて出すこともあります。業務用の会社、ほぼ国営、共産という体質なので外国にOEMで出すものと同じ品質では許されないという事情もありそうです。797音響のCR55(25000円ぐらい)は中国の伝統的なモデルを改良したものでとても素晴らしいのですが、 MXL 600の方がかなり安いです(5000円ぐらい?)。スペックを調べるとだいぶん違います。CR55はRODE NT5とほぼ同じ物でイコライズだけ違う可能性はあります。
中国国内のコピー品のマイク、偽のマイクは本物と外観がだいたい一緒で大抵は激安です。本物と同一価格に設定されているものも多数あります。本物と変わらなければ価格は安いわけですから選択肢としては考えられます。しかしそれでもかなり嫌われています。こういうところで実を採るのを好む中国顧客からも嫌われています。そこで偽メーカーは先を行き、まず彼らがコピー品のメーカーであることを正直に告げた後に、さらに顧客が自分で組み立てれば激安、音は本物と同じだと言ってキット販売します。そうすると顧客はそこが下請けではないかと錯覚することがあります。物は同じだと言うからです。だけど音が違うから嫌われているのではないでしょうか。こういう類いのものを弦堂の方で検証した結果、偽の大きな特徴はサ行の発音に棘が感じられるということです。それだけでそのマイクが悪いと断定するのは早計ですが、魅力も何もない、音が硬いだけのマイクです。中国もこれだけ人口がいれば天才もいますので100%駄目ではないですし、良い偽は支持さえされているというのも如何にも中華ですが、それでも偽のほとんどは使えないので避けるべきでしょう。それにしても中国はどうしてこうも平気で偽を作るのでしょうか。産業革命は英国から始まってその技術が各国に移転したことによって製造業が世界に定着しました。やがて競争が発生しましたが、その中でドイツは各工場やブランドがカルテルで協同し、あたかもドイツという1つの会社のように国内では互いに争わず外国と対抗していました。ですから下請けも独自ブランドで売れるなら売って良い、同じものをどこが作って売っても良い、コピーし放題でした。工場もドイツ全体で番号を振って右へ倣え的に同じもの、或いは同じモデルを生産していました。これがそのままソ連に行って、また中国にも伝播しました。中国国内の開発データは国家によってすべての企業に開帳され独自性は許されていません。民間企業が独自の技術をもって秘匿すると違法になります。共有するものだからそれを使ってどうして悪いのか、ということになります。「コピーした」と訴える方が違法になります。中国は全体で1つの企業体で外国は敵なので外国から技術を得て有効利用は当たり前、獲られた方が間抜けだと、実際にそういう論じられ方が普通になされています。しかしこの概念は独自に開発力があった場合に有力なのであって、そのためドイツは成功しています。ドイツの新興有名音響メーカー・ベリンガーのメーカーページによると、1000ドルの製品の中を開けたらコストが100ドルだったからベリンガー氏が自分用にコピーし、それを他人にも提供したら好評だったので大きくなったというのがオフィシャルな履歴です(これは現在削除されています。wikiの方に少し表現を薄めて書いてあります)。こういった企業はやがて本物よりも良いものを作りたがるようになります。ベリンガーではコスト半分で性能二倍を謳っています。事実、初期のベリンガーは非常に良い製品だったらしいです。コピーの容認は成長のためには良いことです。従って中国の感覚も一理あります。
個人でマイクを作っている人もいます。馬燁(マーイェ)という人物は797音響とパイプがあるらしく、筐体などの提供を受けてドイツ・ノイマンに対抗するマイクを作っています。中国富豪衆から素晴らしいと絶賛されています。マイクのコピーの場合、問題になってくる1つの要素は内蔵のトランスをどうするかということです。ノイマンはおそらく自社で巻いていますが(ということは親会社のゼンハイザー製でしょう)、そうするとコピーで代わりのトランスをどこで巻かせるのかはすごく大きな挑戦になります。馬燁は中国で巻いています。特性は確かに同じかもしれませんが、東洋と西洋の違いというものが微妙なところで滲み出してきます。ドイツは質実剛健、クールな仕事をしますが、中国は違います。ウォームです。ドイツは硬質ですが、中国は艶やかです。同じ水準に達していたとしても、そういうところで微妙な印象の違いは出てきます。ノイマンは気配が録れます。品があって透き通り清楚です。中国はフルボディサウンドです。色気があります。他国のコピーメーカーは半世紀前のモデルを主にコピーしますから法的に問題ないのでしょうけれど、現行のコピーはドイツや中国だけの文化だと良くても世界的規準では問題になりかねません。中国はこういった権利問題を考慮しないので最新モデルからその前の古いモデルまで構わずに参考にしていきます。現在のマイク市場はドイツが支配、対抗が日本で、英国が違う土俵で僅かに、中途半端な立ち位置に米国、ロシア、そのすべてのバックに中国という構図ですが、日本のようにドイツとは違うもので対抗していくという考えも1つ、中国のようにドイツと同じものを作って越えていくことを目指すのも1つです。その中でノイマンを参考にしつつも馬燁のような東洋の華やかな美を表現できるものが出てきたというのはおもしろいものです。駆け出しの頃の価格は安かったのですが、今はノイマンのようになってしまったので価値を見いだすのは難しいでしょう。
英国にsE Electronicsという会社があります。設立したのは中華系英国人、上海出身の音楽家です。自社工場が上海にあることがウェブサイトのトップページに動画で紹介されています。しかし少なくともパーツは飛楽、ほとんど飛楽ではないかと思うサウンドです。初期の頃は完全にOEMだった可能性もあり、左上の写真はsE Electronics社のZ5600で、右は飛楽 Z5600です。指向性が9段階で調整できるのも同じですが、英国の方はPadとハイパスフィルターが付いています。この英国の方は生産停止になっていますが、その後OEMで作っていた飛楽が独自に生産してその時に機能を少し省いたのかもしれません。ユーザーは中華製という前提があるとネガティブなフィルター越しに評価しますが、sE Electronicsの評価を見るとそのフィルターを外した評価を目の当たりにすることができます。
マイクに評価が入っているのは僅かですがサウンドハウスで確認できます。レビューで書き込まれたそのままが現代上海マイクについて言えることです。sE Electronicsを通せば、中華独特の品質管理にアドリブが入ってどんどん劣化していくといったようなことはないし、流通が多いためか安い、外観も丁寧です。買う側からしても、sEを通してきっちり仕事をしてくれるのであれば、その方が良いです。またsE社長は中国をよく理解しており、製品を見る限り、外国のような一方的な要求はしていない、そのことによって無理のない中華製が手に入れられます。一方で西洋への理解もあります。国際販売に関しては元AKGの幹部を起用するなど外国の人材も活用しています。さらに英国音響界のレジェンド ルパート・ニーブ Rupert Neve(1926-)と共同でマイクをプロデュースしています。Neveはコンソールの設計師なのでその人物とマイクでコラボしようと考えたのは音響の長い歴史の中でも実に中国人だけでしょう。
sE Electronicsを飛楽の外局と見做すことができるのであれば、容易に中華マイクが入手できるわけで中国音楽愛好家にとって有利な選択肢を1つ持つことができます。また大陸との関係を有利に活かして製品開発をしており、他社ではできないことまでやっています。しかしNeveはどうしてsEと親密なのでしょうか。sEの社長は元上海オペラの指揮者ですが、マイクを通して上海の音響製造業界と繋がりがあり、Neveはおそらく上海での製造です。ですからちょっと上海系の音がします。例えばトランスですが、現代Neveのトランスに巻かれていることもある黄色いテープは中国南方製トランスで非常に多く見られます。中国人が見たらすぐに自国製だと思うでしょう。上海交響楽団にはNeveのコンソールが納入されています。こうした結びつきによって中国は技術力を高めていますが、製品管理が向上していることは大きいと思います。中国というと連想されるネガティブな要素がなくなってきています。
中華のダイナミックマイクでレコーディング用として作っているものはおそらくないと思います。ボイスコイルで音を決める、それだけしかありませんので自由が制限されます。補正がほとんど効きません。コンデンサー型はドイツのような膜は張れなかったとしてもそれなりにシャープな音にはなるので、一定水準のものを作るのも比較的容易です。そう考えるとレコーディング仕様のダイナミック型がたくさんあるドイツは凄い技術力です。重要なのは、コイルで音を決めていくダイナミック型は民族性が出やすいということです。職人技に依存するところが大きいということです。本格的に民族性を追求したらダイナミック型にこそ醍醐味があるのは間違いありません。797音響は会議用しか出していません。最高モデルはSM58のコピーです。他にはAKG D19のコピー、ゼンハイザー MD421のコピーがあります。MD421のコピーは数年前、ダイアフラムに金泊を採用した高グレード品も出してきました。そこまでやるぐらい自信があるようです。797音響ダイナミック型を二胡に使っていくことができれば、純粋な中華というものを堪能できるでしょう。
ダイナミックマイクは、より小規模なメーカーでも作っています。外国から導入された技術はまず北京や天津あたりで工場を建てて適用され、その後南方へ移転されていき、あちこちで同じモデルを生産していました。今でも797が作っているのと同じものを別の都市の会社が生産してそこは区別した上で販売したりしています。70年代製造というと幾分売れやすくもなるので古い箱を作った上で販売したりします。こういったものを作る会社は設備投資ができないことで時代に取り残されており、古くからある機械で生きていかなければなりません。騙すのは気が引けるがしょうがない、以前に少し問い合わせた時、売り主はこう言いました「これは在庫がないから生産まで待って欲しい」70年代のマイクがないので生産するということです。実は在庫はあるのです。復刻であることを暗に示すためにこういう風に言っているのです。それでもいいか?と。びっくりしましたが、それ前提で買う人がいるのはもっと驚きます。どういうことなのか? 797の生産はすでに現代化されています。性能が昔より向上しています。だけどそれが気に入らないという人もいます。生産家もそれを知っていて「昔の方が音が良い」と言います。そしてそれはクラシックなサウンドです。地方の工場は昔の機械も技術も化石のように残っています。これもまたミステリアスな中華の一面でしょう。しかし中華ダイナミックマイクは元から楽器用ではないので昔のタイプでは音楽用には難しそうです。797による進歩したダイナミックマイクの方が良いように思います。アナウンスだと評価は変わってくるかもしれませんが。
マイクというのは製造工程から見ても明らかに"楽器"です。そして楽器を選ぶように選択すべきものでもあります。二胡の場合は新琴は音が硬い、化けるまで3ヶ月程を要し、それぐらいは使い込まないと甘い感じは出ないという、そうであれば新琴の段階で見分けるにはある程度の経験が求められたりしますが、マイクもそういうものがあります。振動部とコンデンサーとトランスは有る程度の使い込みによって真価を発揮します。これをエージングと言います。新しいマイクは音が硬いです。コンデンサーマイクの場合は電源が要るので不必要に通電して生活音を集音させて馴染ませます。しばらく使わなかったマイクもあたかも寝ているような状態なので刺激的な音で目覚ましたりします。エージングは音響機器の場合は何でも必要です。しかし二胡が化けるのに似たような急激な変化はほとんどありません。半世紀以上前のデッドストックを手に入れると最初は鈍い音だった筈が少し使っているといきなり元気が良くなるということはありますが、普通は取扱店が活を入れてから販売すると思うので、なかなか体験する機会はないと思います。機器は通電するとコンデンサーに電気が充填され、電源を落すと静かに放電します。これを数回も繰り返せば甘い音になってきたりします。そこからしばらくエージングが進んでいくので慣れないうちは新しいマイクにすぐにジャッジを下すのは慎むべきです。音が硬いのが外れが少ない点も楽器と同じです。ドイツのマイクのようにエージングが進んでも芯と鋭敏な反応を失わないものが珍重されるのも楽器と同じです。世界中、このあたりの評価規準は同じだと思います。
中国のテレビ局は民族音楽を録音する機会がたくさんあります。もちろん西洋も含めて様々な音楽が提供されますのでそれぞれにノウハウがある筈です。その中で中国楽器をどう扱うかというのは少なくとも有る程度は決まってきている、明確になっているというのはあると思います。それに対してNHKが中国民族音楽を提供する機会は僅かです。ですからNHKは二胡を録音するにしてもベストな方法を探ろうとするのに対し、方法論が煮詰まっている中国では新しい様々な方法も試されます。中央電視台や解放軍が自国のマイクをベストな民楽録音の選択肢と考えているかどうかはわかりません。それでもある一定の結論を得た上で別のものを使っていくということはあるだろうと思います。NHKはそうはしないと思います。テレビの映像でどんなマイクを使っているのか特定するのは難しいし機会もほとんどないですが、一番最近見たのは北京797音響のマイクでした。その前はSONYでした。NHKが純北京製のマイクに手を出すとは思っていなかったので驚きましたが、しかも797の中でこれを選ぶか?というものだったのでびっくりしました。放送局は潤沢な資金力で最高の技術力を持っていますので彼らが選んだものであればたぶんベストなのでしょう。それはCR99sというモデル(写真)で中国建国50周年用、つまり20年前のものですが江沢民主席(当時)が天安門楼上で演説するために開発されたものです。797としてはどちらかというと安価なモデルで、他に放送局用の高級品がいくつもあるのです。放送局用の優れたマイクは当然真っ先に試したと思います。それは結構種類もあります。だからCR99sまで入手して調べるというのはかなり熱心です。普通、そのあたりのPA用の落ちるものは買わないと思うのです。しかもこの種では新型の60周年用、最近70周年でも同じものを使いましたがCR60sというものもあるのでわざわざ旧式の方をチョイスしていったというのは驚きです。だけど中華はミドルクラスあたりに味があるのです。高級品は欧州のハイグレードパーツを使うのでその辺で純血性に齟齬を来しているのかもしれません。そんなことはNHKは調査前の段階では知らなかったと思うのでそこをハイグレード品ではないものを本番で使っていったというところに、やっぱり国営放送局は侮れないという思いを強めた一件でした。思うに天安門楼上モデルというのは純中華に拘った設計なのかもしれません。弦堂個人はさらに低グレードのCR55、これは古い型番ではCR1-4で古い設計ですがこれを持っています。CR55は797音響のスモールダイアフラムの楽器用で最も安いですが、クラシックな音を求めるならこれだろうと思います。ですからNHKがそこまでいかずにCR99sだったというのは相当考えたのだろうと、ちょうど良いところを探った感が強く感じられます。
CR55の特性はほぼフラットですが、7kHzぐらいをブーストしています。こういった設計は多くのマイクで見られます。音像が前に出る効果があります。
中国の場合、新規開発して新製品をリリースしても旧型をカタログから外さず生産し続けるという独特のやり方で、かなり古い古典マイクは今でも幾種類も生産されています。商業録音スタジオは独Neumannを使いたがりますが、純ゲルマンのこのあたりのマイクは中華音楽とは合わないこともないとはいえ、やはり中華には中華の方が親和性が高いのは確かです。スタジオというのは商売ですから体裁というか、大きく見せる的なものも必要なので中華はまずい、試して良くても使えないというのはあると思います。だからベストかというとちょっと違うかもしれないことはままあってもしょうがないことです。しかし放送局は違います。どこにも顔色を伺う必要がありません。潤沢な資金もありますし、専門の研究施設まであります。その上で放送局が、特にNHKがどうするかは常に注視しなければなりません。だけどこんなことはないとは思いますが、NHKも中国楽器の提供機会が大幅に増えて頻繁に二胡を録音するようになったら場に応じた様々な方法を探っていくと思います。現状では二胡は純粋に二胡として提供する必要があるのでその方向でベストな方法を採りますが、二胡がいろんな使われ方をするようになれば録音も異なった方法になってくるということです。ですから方向性については柔軟に考えるべきです。それでも純粋な"中国の音"というものは理解している必要があるでしょう。
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