馬乾元古楽器復刻1 - 二胡弦堂

  本掲載はすでに販売済みのもので比較参考のために残してあります。現在販売中のものはこのリストから探してご覧ください。

 絹弦を使っている往時の型の二胡です。

 弦軸の位置は現代の二泉胡とほぼ同じですので二泉胡の弦を使うこともできます。しかし全長は二胡と同じぐらいです。つまり、琴頭が現代琴に比べて短いということです。これは古楽器の特徴で音にも影響があります。材は老紅木です。

 一見すると普通の古楽器ですが、古楽器というのは普通かなり小さいものです。これもそうなんですが、棹がかなり長い特徴があります。二胡の響きは棹を伝って上に抜けますので長さは残響に影響します。それに琴頭の形状は音にかなりの影響があります。そこから音を放射するからです。古楽器の場合はそこは考えない、短く切ってしまっているものが多くあります。現代でも京二胡のような戯劇用の楽器はそうです。だけど棹の材は極めて重要なので良い物を使います。それでも残響は考えていない、考えているのかもしれませんが、現代琴とはぜんぜん違う音にはなります。残響は不要という感じの作りです。そこへ長い棹を持ってくるとこれが具合が良いのです。二胡の響きという物のナチュラルさが感じられます。これは古楽器でしか感じられない響きです。

 弦軸は黄楊です。これは歪みやすいので心配していましたが、これもやはり微妙に曲がっています。写真はレンズが広角なので少しおおげさな感じで写っていますが、実際にはよくよく見ないとわからない程度です。気になる方は購入を控えて下さい。尚、この点を気にしていたら黄楊材は使えないし、そういうことを言っていたらあちこち現代琴仕様に戻っていきますので、今後も構わず黄楊を使っていきます。(呂建華はおそらくこの問題で黄楊を使ってくれません。白檀でいいか?という感じで、もうそれで作ってきます。胡㴠柔にも黄楊は断られました)。黄楊独特の魅力があるので、音質の観点から可能な限りこれで行きたいと思います。

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 これは古楽器を依頼した時におそらく弦堂が撮影して渡したものだったと思うのですが、最近「手信蘇州」というところから取材を受けて提供したようです。こんな風に3枚組に編集されて掲載されていましたのでここにも貼りました。女性は馬師の孫です。
馬乾元古楽器復刻制作中