光舜堂の楽器はケースや弓を含め、付属品は基本的にありません。綿と西野先生が削られた駒が付いています。これはすべてブラジリアン・ローズウッドを使っています。棹もかなり太いです。光舜堂のブログ 久しぶりのブラジリアンローズ、低音二胡、いいですね!ブラジリアンローズの低音二胡でも説明されています。これより良材というのは無いかもしれません。黄花梨とほぼ同じ音がします。これもやはり奥ゆかしくて、大陸の前に出る感じとは一線を画しています。しかし古くは大陸でもこういう音だった筈です。
もう一つ、中胡がありますが、これとは使っている材料が部分的に違うというだけでなく、棹の太さが違います。そのためかこちらの方が音が低くなります(音程は同じですが含有成分が低くなる)。感覚的に違う楽器という感じがあります。ですから比較して、ということではなく、中華の楽器でなかなか低い音というのは得られにくいので、大胡が欲しいという場合はこれは良さそうです。大胡で良材はまずない、大陸では手に入らないので、そういう意味でも比較対象はなさそうです。以前にも同種のものが作られたこともあって、それは「ドデカゴン」と命名されましたが、こちらはそれよりもっと太いです。「ゴン」はギリシャ語で角形という意味です。低音に変えると「バッソ」になって語感が悪いので、低いにすると「シャミロス」。西野先生に許可を取っていませんので暫定ですが「シャミゴン」これもイメージが違いますが、代案が見つかるまでこうします。
今やかなり貴重で、もう入ってこない材料なので無駄なく使っているようです。そのため、胴の横に爪2つで掻いたような跡がありますが、これは印のようなもので強く押されたような形がついており、元の材についていたものと思います。細かく見るとまだ結構たくさんあります。こういうのも機械で生産されていない、そして古材を使用している感があって良いものです。棹は手に紙やすりを持って削っているので、人間の手にフィットします。この気持ちよさも手工生産だから感じられるものです。
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