北京楽器展覧会レポート - 二胡弦堂

 


 中国では北京と上海で年に数回、楽器展覧会が開かれているようです。前からどんな感じかなと思っていましたがなかなか重い腰が上がらず、やっと行ってきましたので皆様にもどういうものかご覧いただこうと思います。

楽器展覧会の入口

 空港近くの展覧会専門?会場でやっていました。「第21回国際プロ音響・ライト・楽器と技術展覧会」という非常に長い名前です。長過ぎるといろいろ不都合なので「パルム・エキスポ2012」という名前も作ったようです。とりあえず暑いので早速中へ入ります。

二胡などの販売

 かなりたくさんの楽器があって販売もしています。しかし本来の目的は卸先を見つけるための商談のようです。ここに来ると新開発された未知の楽器があったりします。そういうものを仕入れられないか探すというのが訪問者の主な目的です。

古琴1 古琴2

 北京では古琴が人気があります。会場はとても騒々しいので、演奏しても音は聞こえませんが、それでもたくさん演奏できるように置いてあります。

満瑞興の琵琶 漆の笛

 琵琶や珍しい漆の笛などもあります。

大胡

 これだけ大きいと低い音が気持ちよく出ます。

民族楽器のパーツ 二胡の蛇皮 弓の馬尾

 「楽器と技術展覧会」ですから、製造に関係した商品も多数あります。西洋弦楽器のコーナーには木の塊まで置いてありました。

王小迪二胡弓

 咽が渇いたので、王小迪女史に水を頂いてから帰ってきました。

 だいたいこんな感じで会場は広かったですが、商品はだいたいなじみのものばかりですから、特に何もせずに帰ってきました。ここはコネを作るところだと認識するのが正しいようです。でもこういう機会があると販売者としては便利が良いと思います。生産者というのは多くは都市の中ではなく郊外に工場を持っています。それで北京の楽器街に出ては営業したりすることはよくありますが、こういう展覧会があると多くの業者が集まるので商談をまとめやすいようです。店舗を持っていない販売者もいるのでより幅広く接することができます。

 名工の作品についてはほとんどありません。ご覧いただいた写真の中に満瑞興の琵琶がありましたがそれぐらいで、二胡の有名作家の作品は全くなかったです。二胡の名品は高すぎると考えられていますので、一般の販売店には置いておらず、それゆえ展覧会での販促もないのだと思われます。展覧会にあるものは市内の楽器街でも購入できるものばかりです。それでも展覧会は独特の雰囲気があるので一度行ってみるのはおもしろいと思います。皆さんも機会があれば行ってみてください。