潮州 鳳凰単叢 烏龍茶 - 二胡弦堂


 発送は3つまではレターパックプラス¥600になります。1万円以上は送料無料で、5,000円は送料半額(リピーターは無料)など調整しています。

2025冬茶

雪片黄枝香 100g ¥2,000


2025春茶

黄枝香 100g ¥2,500
蜜桃香 100g ¥10,000
芝蘭香 100g ¥4,200
八仙 100g ¥5,500
 芝蘭香は相当な高級茶になりますが、久しぶりに飲みたいということで少量入荷しました(工夫式で使用量は5gで大丈夫です)。同じく芝蘭香の上位で、品評会で特等を独占するので外されているという「八仙」も同系統のものです。小店の方で推奨している甘いものを食べながら飲むとか砂糖を入れるというのは鴨屎香などその他の方が良しで、ストレートなら芝蘭系という感じがします。そのため、茶単体で見れば芝蘭の方が良いのでしょうけれども、それも見方次第とも言えそうです。


2024春茶

鴨屎香 100g ¥3,000


2023冬茶

雪片玉蘭香 100g ¥2,600

 鳳凰単叢で色んな意味でおそらく一番良いのは鴨屎香。最もコスパ良しは黄枝香(黄梔香。これ以上安価は果てやすい。高山茶でこの価格。製造量が多いためです)。この2種で雪片と春茶があれば良しという印象です。しかし23年雪片は黄枝香に変えて、香りの良いものがあったので違う品目に変えました。


通年

鳳凰高山紅茶 100g ¥3,000
 世の中にこれより上等な紅茶はなかなかないでしょう。淹れ方は工夫式(湯を注いだらすぐに出す)で何度も飲めます。インド茶とは違いますのでご注意下さい。



鳳凰単叢 fèng huáng dān cōng
黄枝香  huáng zhī xiāng
柚花香  yòu huā xiāng
鴨屎香  yā shǐ xiāng
桂花香  guì huā xiāng
蜜蘭香  mì lán xiāng
杏仁香  xìng rén xiāng
蜜桃香  mì táo xiāng
芝蘭香  zhī lán xiāng
八仙   bā xiān
紅茶   hóng chá
雪片   xuě piàn

 鳳凰単叢は最低でも半年は置いた方が角が取れて甘みも増します。また使える湯量が増えます。光と湿度を避けて密閉保存。小店の方でも高級なものはなるべく大量に買うようにしてヴィンテージを育てるようにしております。1年以上経過したものは以下です。

2023冬茶

雪片鴨屎香 100g ¥3,500

2023春茶

鴨屎香   100g ¥4,100

 潮州は茶業の盛んなところですが、中国は元々すべて国営だったので様々な会社が林立している現代の状況は市場開放以降です。では、それまでの国営はというと、宜興紫砂一廠など民営化以降でもまだ存続しています。かつての旧国営と潮州茶業公司が異なる点は、潮州の方はまだ地元だけを顧客にしている、一等地の畑を所有、業態が小さくまだ家族経営という特徴があります。昔のことは話したがらないので詳しく聞いていませんが、大躍進政策の頃に当時茶を栽培していた農家がすべて接収され、1つの国営企業になりました。幾つもの同業の人たちが一緒になりました。彼らは元は親族同士ではありませんが(同じ村内で親族に近い?)今でも一緒にやっています。市場開放以降、様々な変化がありましたが、昔のままやっておられます。中国製というとネガティブな印象がありますが、実際には頑丈で壊れにくい良いものも中国製だったりします。価格によるグレードに対応して何でもやるというだけで(ここが中華独特)、全部良いものを作ろうと思えば可能なのでしょう。品質は工場を変えて対応しています。優良工場の製品は良いものです。鳳凰単叢に関しては、潮州市内で販売しているようなもので悪いものはありません。ですが、潮州域外では全くの別ルートで送られていますので品質は大きく落ちます。畑も全く別、工場が違うと同じことです。多くの中国人は単叢を評価していません。一方、潮州では茶店がない通りを探すのが困難な程で、スターバックスすら2019年まで進出できませんでした。潮州という街自体が陸の孤島で、独自の言語、文化などで隔てられています。


 鳳凰単叢は甘いものと一緒に飲んで下さい。一般の概念では例えば抹茶は苦い、菓子は甘いのでちょうど合うといった風に理解されています。口が甘ければ苦味良し、苦いから甘いものが一層甘く感じられます。しかし鳳凰単叢は違います。「蜜」などと銘打っておりますが、その蜜を感じるためには甘いものを食べながらでなければ感じられません。甘い+甘い=もっと何倍も甘くなります。口や鼻の中の香りが甘みと共に残ります。潮州人は茶を買いに行くと必ず甘いものも一緒に買って帰ります。茶に砂糖を加えることもできます(うちでは、てん菜糖を杯に入れ撹拌せずに底に沈殿した状態で茶を注いで飲んでいます。徐々に溶けていきます)。しかし必ずしも甘みを感じなければならないことはなく、食事中にも淹れられます。一度に使う茶葉の量は7gです。1泡目は必ず茶器に湯を通して温めてから茶葉を投入して下さい。湯を注いだらすぐに出す(工夫式)を繰り返して少なくとも1.5Lぐらいはいける筈です。数日間飲み続けることも可能です。潮州茶の淹れ方も参照下さい。


 1つの品種でも幾つか価格にランクがあります。上の写真例は蜜蘭香ですが、右から¥1,800、¥3,600、¥6,000です(葉が大きい方が安価です)。¥1,800は現地では高級茶です。¥3,600はより濃厚になり、¥6,000は上品になるという違いです。大陸での一般的な説明(向こうの言語では「説法」)では、一般の単叢は12泡(煎)以上、高山茶(だいたい¥2,000以上)は20泡以上は淹ると言われています(茶を淹れる人の技量によります)。それ以上は上品になります。この技量とは、茶器を温める、茶器の大きさに関係なく必ず7g、一度沸騰させた湯を使う、注いだらすぐに出す、これを厳守するだけです。節約して5gなどするとすぐに果てるので不経済です。多過ぎると苦くなります。日本の高級中華料理店で出されるものでも、こんなには淹りません。日本茶のように1,2泡で果てます。日本で一般の人が中国茶を理解するのが難しいのはこの辺りが原因の1つなのでしょう。

 潮州人が飲んでいる茶は2種類あります。もっとも安価なもので、ランクが2つあるという言い方もできます。上述した12泡淹る茶はこれを指しますが、扱いに慣れていないと5泡目ぐらいから白湯に近くなります。コスパがかなり悪いようにも思うのですが、もうその時限りで捨ててしまうので、これで良いのだろうと思います。そこへ国際送料などをかけて日本に持ってくると、コスパの悪さが尚一層際立ってきます。送料は重量計算だからです。一方、高山茶であれば全く十分です。価格が上がると上品にはなっていきますが、普段飲みには2,000円台でも不足はありません。

 鳳凰単叢は一説には1000種類もあるなどと言われていますが、実際にはそんなに販売されていません。香りの印象は鴨屎香以外は名前で判断した通りです。

芝蘭香 ほうじ茶のような香りなので、地元の潮州人にとっては普段の茶と違っていいのかもしれませんが、日本人には馴染みある感じのものです。日本の茶も大陸伝来ですが、こういう香が島でも残っているということ自体が優れたものであることを示しています。現地ではこれを以て最高とされており、その上位は「八仙」です。

杏仁香 杏仁豆腐というものがありますが、いかにも中華という印象の素晴らしい茶です。これが一番中庸で安定的な感じがします。しかし鳳凰単叢がフルーティであるべきという固定観念で捉えると違和感はあります。

鴨屎香 甘いという印象です。スイカズラに例えられますが、昔、砂糖がなかった頃の日本はスイカズラから甘みを採っていたようで、そういういかにも「糖分」という感じの口当たりがあります。最初の株の発見者が、あまりにも素晴らしいので人気が出ないように「鴨のフン」と命名したとされています。台湾の凍頂烏龍茶に近く、まさに烏龍茶というイメージそのままです。

桂花香 キンモクセイの香りそのままの印象です。舌触りがクリームのように濃厚です。

黄梔香 潮州でもスタンダードなものであるらしく、まずはこれを勧められます。これより安い茶は果てやすい、より高級なものと同じぐらい淹る、香りも良しで一番お得感があります。黄梔はクチナシです。バランスが良く率直に味わえます。

蜜蘭香 湯を注いですぐの香りが消えていくと蘭のような芳香があります。鼻だけでなく口にも残ります。蜜を名に冠するだけに甘さも感じさせますが鴨屎香の甘さとは印象が違います。砂糖を全く使っていないとは思えない程の甘みを感じさせます。

・単叢茶葉を使って発酵度を高めた紅茶も作られています。台湾にも同種のものがありますが、こちらは「東方美人」と命名されていてこれは紅茶とは呼ばず烏龍茶として指定していますが、発酵度はかなり高いものです。潮州ではこれは烏龍茶ではなく「鳳凰紅茶」です。これとは別に完全に東方美人と同じ製法で作った「東方紅」は失敗で、しかも製法が面倒で高価、おそらく今は販売されていないと思います。鳳凰紅茶は潮州独自のレシピで東方美人とは異なりますが、どちらが優れているとは言えず。東方美人で鳳凰紅茶に対抗できる品質は極めて高価。さらにあまり知られていない事実として、インド茶より中国茶の方が品質はかなり上です。中国から茶を買うための銀がなくなった英国がインドに畑を作ったものです。いかんせん、中国の良質の畑、どれも山の上とか崖など人間を寄せ付けない環境ですが、これが狭い。生産量が少ないのでグローバルチェーンに乗りません。小店のように中途半端にやっている感じでないと無理です。その辺、英国の方が商売上手です。ウィスキーはアイリッシュの方が本場なのに、スコッチがその立場を奪っています。紅茶は中国が最高だが、いつの間にか英領インド。英国は産業革命を起こした国なので、大量生産のバランス感覚があります。中国の大量生産はブランディングが不得意で価格が低迷、良いものは少量生産を崩さず国内消費で外国に安易に売らず(中国文化の深いところがわかりにくい一因)。民族によって特徴はそれぞれです。紅茶に話を戻しますと、中国で有名なところでは「正山小種」などがあります。ここも一等地の畑は旧国営が握っている点で潮州と似ています。ですが武夷山のふもとの崇安(現・武夷山市)がかなり田舎町で、潮州とは規模が異なり消費が期待できません。しかも潮州は周辺の汕頭、掲陽とも繋がった結構な大都市です。温暖な都市なので市民は屋外の歩道でも茶を飲みます。環境が大きく異なるので崇安では正山小種を含む武夷山産出の茶は、山自体をブランディングして世界的に有名にし、街の名前も山と統一、プレミアをつけて流通に載せています。かなり高価なのですが一通り飲みました。そこで思ったのは、如何に地域密着が大事かということでした。例えば米は日本人が皆食べています。しかし一切食べず、輸出専用だと品質はどうでしょうか。媚びたような味になるのです。よくわからないが売れそうな感じに調整したようなものになるのです。即ち、街全体の水準がそのまま実力なのです。鳳凰山3市合わせて1300万人を超える、うるさい評論家集団が品質を支えているのです。これが小店が武夷山茶を購入していない理由です。

 烏祟は元々、鳳凰単叢が栽培されていた一等地で、一帯の鳳凰鎮は最高海抜1500mあります。山頂というのはどこも木が生えませんし良い環境ではないことから、茶はせいぜい1300mぐらいまで、800m付近にある鳳西大坪村より高い畑で生育しているのが「高山茶」です。800m以下は「中山茶」、600m付近の鳳渓ダムより低い畑のものは「低山茶」と分類されています。


 茶と茶器の相性の問題について:茶に対し、どの泥(土)が合うのかわからない場合の一般的な方法はガラスがあればそれで茶葉の素性を確認し、白磁もあるのであればさらに比較するというものです。そうしますとだいたいどういう茶なのか、その茶そのものがわかってきます。ガラスも不純物があるのは良くないので、ハリオなどの選択肢がありますが日本茶用でジャポンという耐熱ガラスの急須もあります(写真例はバリエーションがあるジャポンの1種です)。しかしガラスは舌触りに刺激があるのでノーマルに近い白磁があればそれで茶を検品したいものです。その上で最終的にどの茶器を使うのか決定することができます。

 鳳凰単叢は、朱泥や紅泥を選択します。宜興の紅泥は昔から朱泥と混ぜて使われていました。写真例はその様子で朱泥の方が若干多い割合です。しかし近代に紅泥だけで作られたものも出てきました。また、紫泥もかなり高相性で、こちらの方が良いという場合もありそうです。段泥は難しいと思います。

 大陸では鳳凰単叢に対しては地元の潮州朱泥が最良だと言う人もいます。潮州朱泥は田土を混ぜる備前と似た泥です。ほとんど紅泥に近いのですが、希少ながらオレンジ色の朱泥もあります。製作家個人で調合が違うので様々な泥があります。同じ一族でもそれぞれ違った感じのものや焼き方も違ったりします。それでも潮州朱泥を以て最良とされるのは、この泥が表面的には何のプレゼンスもないからです。一見すると何の効能もありません。黙って茶本来の持ち味を引き出し、なかなか果てず、何度も湯を注いで長く飲み継げますのでコスパ良し、なのでやるべきことは押さえているのです。潮州に色んな泥があるにも関わらず、そこは共通しています。制作家によって好みがあるということは違うということなのですが、だけどプレゼンスはないという矛盾の中に繊細さがあります。対して宜興はもっと良くしようとします。これも良いのです。上品だから。砂糖が入っているような感触すらあります。だけど最後に戻るのは潮州朱泥と言われます。いなくなって初めて価値がわかるという、そういうタイプのものです。小店独自の見解ではありません。わかりやすく話しただけで内容は一般論です。可能であればしばらく比べて体験してみてください。
潮州鶏蛋黄朱泥壺