南京条約で香港が清朝から英国に割譲されたのは1842年です。ですから本品は少なくともそれ以降に製造されたものです。銘は顔奇香です。潮州顔氏が親族を香港に派遣して支店を持っていたのかもしれません。なぜならこの茶盤は潮州で見つかったからです。輸出するつもりだった製品と考えられます。それをまた求めたいという潮州人もいたので残ったのでしょう。修理痕のないオリジナルコンディションです。茶盤蓋についているたくさんの傷はデザインと思われます。現代でもこの面に傷を意図的に残してあるものがありますが、ここまで激しく傷つけているのは珍しいと思います。見栄えは良くないようにも思えますが、濡れた時に中央の漏眼が霞に浮かぶ月のように見えます。キャンパスに見立てた盤上では変化する滴痕すらも絵画的描写に必要です。使わないと感じられない、細かい演出です。底面は鱗のような模様が見えており、細かい材料を叩いて繋げ伸ばしたような工作は清末のものによく見られます。後代では小石のような形で材料供給されていませんので、民国ぐらいになるとこのようなものはないのですが、その代わりにシャーベット状の材料をコテで伸ばしたような板をつかっています。敢えて粗い材料を底板にだけ使っていきます。その理由はおそらく音ではないかと思います。ここで振動を吸収させることで得られる快適さがあります。直径17
x 高7(cm)。顔奇香 yán qí xiāng
潮州・顔奇香 双古銭款円形茶盤 ¥53,000










