明清旧料 - 二胡弦堂


 老紅木の良材で「明清料」というものがあります。この名が示す2つの王朝が相当な長さに及んだ(1368-1912年)ことを考えればかなり曖昧です。写真の例で明代と清代の材の違いを比較して、もう一枚の方で明代の材の表面を見ていますが、清代の材はせいぜい100年ぐらいであろうというところなのに対し、明代の材は6~700年ぐらいあります。しかし辛亥革命以前の建築や木製の制作物に使われた材全般を指してこう呼んでおり、一定の指標になっています。清朝は1912年までですので、100年以上前ということになり、こういった材で製造された「百年旧料」と彫られている二胡もあります。このような古い材を使って作られた二胡は価値があるとされています。

 材木市場において、楽器用と家具用では購入される材の基準は違う筈です。家具に使われた材で楽器に転用できるものは決して多くはないと想像できます。明清料とされた材を使った、主に家具などから取材されたという材を使った二胡は本来であれば慎重に見なければならないものです。二胡は楽器ですから、部位によってどんな材をあてがうかは違ってきます。偽もあります。建築も使う箇所によって選材しますので、柱に使ったようなものは二胡に十分使えると思います。

 明清料を使った二胡は一定の評価を受けるに値しますが、中国ではそれほど重視されていません。実利が重んじられますので、材そのものを1点ずつ評価し、大枠での判断はしない傾向です。最近見つかった材の方が良いということもあります。

 植物学上の分類に当てはまらない雑種でも良いものがありますし、このようなものは個体を見なければ判断できませんが、それと同じと言うことです。