使う糸は、混紡が良いとされたり、絹や綿は良くないと言われていたり、100%綿でないといけないとか、絹が最良だとか、様々な意見があります。中国の二胡専門店には専用の糸を売っているところもあり、それらは大抵ナイロンです。結局どれも使えますので、後は個人の好みになるのではないかと思います。
中国では、裁縫店で買ってきたミシンに取り付ける円錐型の高さ15cmぐらいの糸巻きが店頭に置いてあって、無料で巻き直してくれます。混紡ですから、特殊な糸ではありません。特にそこの店で買った二胡でなくても替えてくれる場合が多いです。
絹弦の古くなったもので巻き直す方法を写真で示しています。弦に対して2回しか巻いていませんが、絹を使う場合は、1~3回が良いようです。混紡の場合は、5~7回巻きます。
また、弦の方に絹弦を使う場合は、鉄弦に比べて駒へ渡す角度を急にする必要があります。絹弦の張力が弱いためです。そうしなければ雑音の原因になることもあります。これは楽器毎に個別に調整が必要です。標準は37mmです。
正しい巻き方が確定しておらず、材料も議論があるということは、必ずしも重要な箇所ではないとも言えます。
古い千斤を残した状態で巻くのがポイントです。そのため若干、弦をゆるめて巻き始めるのですが、こうすることによって高さを保ちやすくなります。棹から弦までの高さは重要です。0.1mm間隔でも、少しずつ音が変化します。
最初に輪を作ってから、それを棹に固定するように巻いていきます。棹に2回巻いた後、弦に1回廻します。その後は棹に1回、弦に1回と繰り返してゆき、最後は棹に2回巻きます。最初に作った輪に糸を通して両側から引きますと固定できます。それから、古い千斤を捨て新しい千斤を定位置に移動します。写真では残った端の糸が見えていますが、これを綺麗に落として処理したら完成です。
スチール弦への千斤の巻き方は呂建華師が動画で解説しています。まず琴棹に3回巻き、次に弦に1回、棹に1回、弦に1回、棹に1回、ここで高さを調整します。それから同じ順で巻いていきます。