コンクールレポート - 二胡弦堂

 


 皆さんは「コンクールレポート」という題を見て、ある程度の想像があったと思います。しかし以下の写真を見て「何かがおかしい」と思われたと思います。まずここから話を始めないといけません。

 弦堂はこの日の晩、老師の家に行く予定でしたが、一週間前に老師の都合で予定を変えました。その後、3日程して新街口楽器街のリランがこう言います。「あんたの老師がコンクールで審査をやるから、私と一緒に見に行って」それでリランの夫の運転にて(職業は運転手)現場に乗りつけ、その後夫は妻から要求された品目を購入して揃えるためアウトレットに走ったので弦堂とリランは建物内に入ります。

入り口

 カラオケ屋です。KTVと言います。

地下に続く階段

 入り口を入ると地下に向かう階段があります。この時点ではまだコンクールを取材をする気満々だったのです。この後、まもなくおかしくなっていきます。

売店

 もちろん周辺の取材も怠りません。売店もチェックしました。市内で3元で買える王老吉が12元で売っています。とんでもないところです。

バイキング

 ところがバイキングは無料です。食べ物は豊富で腕の良い料理人を使っています。一回食べて、もう一回取りに行きます。もう一回行ったかもしれません。

ドア

 カラオケボックスを1部屋借りています。こういうドアが付いています。異変に気がついたのはこの頃です。

ドアの外でも練習

 年配者しかいません。ドアの外側でも練習しています。昼間なので来ている客も年配者ばかりですから服務員も気にしないようです。お叱りを受ける事もありませんでした。

リランと老師

 これがリランと老師です。「評委」という札を持っていますが、これは本物で実際の文化部(文科省)が行うコンクールなどで使用しています。この日もしっかり本物持参で行います。もちろん、この時にはすでにリランもおかしいと気がついています。

レッスン

 まだ人が集まっていないためか練習は続いています。皆さんは愛好家なのでプロではありません。時々いろんな人が老師に演奏法を聞いています。

オルガン

 伴奏のためにエレクトーンを持ち込んでいます。中国人は伴奏に電子音を好みます。人間にやらせるよりも機械の方がよっぽどマシな仕事をするとのことで、こういう感覚が育ってきたようです・・・しかも電子音は日本製なのです。

始まる前

 まずは合奏から入ります。審査委員は8名と決まり、司会者から90点以上は必ず付けるようにマイクでおおっぴらに圧力が掛けられます。いかにも中国です。それだったら0~10点と言うことになって、90点だったら0点と一緒です。その前に「9」を入れることに意義を感じているようです。

二胡セクション

 これが二胡セクション、計6名です。

評価

 全10曲を一つずつ点数を紙に書いて示します。老師は全部97点です。まじめにやっているとは思えません。中国のテレビでこういう企画は人気があります。それの真似をして遊ぼうということのようです。老師は小さな声で「彼らは遊んでいるだけだ」と言います。そこまで老師に教えてもらわなくても気配でわかるだろうと思うのですが・・しかも自分は「彼ら」の中に入っていないようです。これはつまりここで使っている楽器をリランのところから買っているからリランを招待し、その客をリランに紹介したのが老師で、老師をリランに紹介したのが弦堂なのです。老師が言っている事を真に受けた臆病なリランが怖がって弦堂を同行させたようです。夫では頼りないようでそれでアウトレットに走らせたようで、周囲の人間の適材適所的なシビアな使い方には驚かされます。

フルス

 二胡以外にも楽器があるのでソロもあります。これはフルスです。

ハーモニカ

 西洋楽器はエレクトーン以外はハーモニカだけです。

 中国人の愛好家の楽しみ方ということで1つご紹介しました。こういうのは少なくないと思います。今度は機会があれば本物のコンクールにも参加して取材したいと思います。