河北安新县圈头村“音乐会” - 二胡弦堂


 河北安新县圈头村(中国 河北省 安新県 圏頭村)は、今なお中国古代音楽が残されている地域として優良な研究対象とされています。場所は北京から車で2時間、その後船に乗って30分という不便な場所です。付近は湿地帯になっており、幾つかの島に人が住んでいます。かつては南京から北京の通商路にあり交易によって栄えましたが、この頃に薬神を祀る巨大な寺院が建立され、この地の僧侶群によって音楽が継承されてきました。抗日戦争時に寺院が破壊された後(日本人が寺院を破壊するでしょうか。可能性として完全に否定はできませんが、こうしたことは事実に関係なくすべて日本軍の責任にされるし、そもそも宗教を否定したのは日本ではありません。また抗日戦争時には紙は高価、だから古い記録はほとんど残っていないわけで、しかも隔絶された地域であるという、もっと後代に破壊されたと考えるのが自然なように思われます)、僧侶らが離散し音楽も失われたかに思われていたのですが、残された楽譜によって現在も伝統が継承されています。現在では高速艇で往き来されていますが、手こぎボートで移動していた時には街に出るまで3時間はかかったようで、この外界と隔絶された特殊性から伝統も保存されたのではないかと考えられています。文革時代に革命歌を演奏することによってしのいだ以外は(ということは僧侶衆は離散したわけではないようです)、伝統がきれいに保たれ、現代は後継者不足という困難に対処しつつ継承されています。

河北安新县圈头村の位置  村の人口は2700人前後で、"音楽会"の会員は2004年の中央音楽学院の調査時点で63名です。
演奏活動はおおまかに3つあります。

 "音楽会"に伝承された譜子の写しには、55の作品(旋律譜52首、打楽譜3首)、それ以外に別の写しに4首、計59作品があります。以下に収録された録音があります。

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小踏曲念唱《醉太平》        小踏曲演奏《托布衫》
小踏曲念唱《乐太平》        小踏曲演奏《巧跳神》
小踏曲念唱《山坡羊》        小踏曲演奏《迭落金钱》
小尖曲念唱《浪淘沙》        小尖曲演奏《浪淘沙》
小尖曲念唱《王大娘放驴》      小尖曲演奏《上江擦》
小尖曲念唱《花子叫街》       小尖曲演奏《湘半月》
小大曲念唱《劝君杯》        小大曲演奏《劝君杯》
小大曲念唱《柳花香》        小大曲演奏《柳黄烟》

 楽曲は全部で4つの分類があり、その大部分は♭E調です。