
発酵茶を煮出すというと紅茶がほとんどですが、普洱茶もあります。紅茶は結構簡単に煮出せるのですが、普洱茶は意外と難しいものです。ヤカンに茶葉を入れて煮出すのも相当な時間がかかる上、水分もかなり失います。可能であれば圧力鍋を使い短時間で煮出す方法が有力です。重りから蒸気が出たら火を止めて減圧します。圧力鍋は
アサヒ軽金属や
ヘイワが有名です。わざわざ圧力鍋を使うというのはすごく面倒なことです。それでもできる限り抽出できれば茶葉の大幅な節約になります。そこで圧力鍋ほどではないですが同じ傾向の鍋で鋳物ホーローを使うという方法をテストしました。使用したのは上の写真の普洱茶で、茶葉と水は分量を合わせてあります。比較対象はアルミの亀印文化鍋(下写真左行)、これはヤカンと同じで全く特徴を出さないサンプルの抽出です。下写真右行は鋳物ホーロー鍋
バーミキュラです。
湯はどちらも沸騰させてすぐに止めています。蒸らしはやっていませんが沸騰するまではどちらも蓋を閉めていました。色を見ると違いは一目瞭然ですが、水分の量も変わっています。アルミの方が若干少なくなっています。アルミの茶の濃さは茶壺で淹れる場合とそれほど変わりません。煮出すわけですから本来は沸騰しても止めることはないのでさらに時間をかける必要があることがわかります。ホーローの方はあまりに濃すぎて飲めないので牛乳を入れて薄めました。茶葉を大幅に減らしても尚牛乳を注ぐ必要がありそうです。見た目以上に相当な差があります。更に蒸らすことも可能なので、もっと抽出できるかもしれません。

ここまで濃厚に抽出できるのであれば大型の圧力鍋を使う必要はないでしょう。
鋳物ホーローは本来フランスの調理器具です。
ル・クルーゼ、
シャスールが古参で、近代にはより密閉度の高い鍋を開発した
ストウブ、日本製のバーミキュラもあります。この4社は記載した順番に密閉度が高くなり、より圧力鍋に近くなります。しかしあまり気密性を高めない方が良いという考えもあり、多少逃した方が野菜のアクや苦味が抜ける、一方で気密性がないと旨味が蒸気で逃げるという考え方もあります。適材適所なのでしょう。メーカーによって考え方が違います。料理人もそれぞれ支持しているメーカーがあったりするぐらい専門家の中でも様々な意見があります。茶もまたあまりにもいろいろあるので、それに対してどの鍋が合うかは一概に言えないでしょうけれども、少なくとも苦味やアクに関しては関係なさそうです。むしろ如何に効率よく抽出するかの方が重要なので密閉度の高い方が良さそうです。ただこれは理論上の見解に過ぎない点に注意を払う必要があります。煮出した後の鍋の中の写真を参考に貼ってありますが、これを見ると水の量はせいぜい鍋の半分ぐらいにしなければ吹き出しそうなので、ただこれは普洱茶に関してはですが、その点も参考にして下さい。テストで使用したのはバーミキュラ オーブン・ポット・ラウンド 14cm,850mlで、これで1杯分の抽出を行いましたがこれより大きい鍋では少量は難しい、水が底の方だけになってしまい、蒸発して失いやすくなります。専用のものではストウブ ラウンドティーポットがあります。ともかく手軽に茶を煮出すということであれば、そもそも煮出すという作業自体が決して手軽ではないのですが、そこをなんとかしようとすればこの種の鍋は必須になりそうです。またステンレスでも密閉度の高い鍋はあります。

米
ビタクラフトなどが有名です。鉄板を加工してホーローを被せたものは本稿の趣旨とは違うものです。
普洱茶はまとめて煮出して飲むことになりそうですが、紅茶の場合はそうとは限りません。しかも一人でミルクティーを飲むのが普通の生活という場合の想定で最小の鍋を用意するのであれば、ストウブ ラウンド・ココット10cm,250ml、シャスール ラウンド・キャセロール10cm,350mlがあります。銅鍋でも一人用であればこれぐらいになりそうです。ロイヤルミルクティーという一般のミルクティーとは違う淹れ方があり、その方法は日東紅茶の
紅茶の おいしいいれ方というところで解説されています。この記載によると80mlをまず沸かし、それから茶葉を入れます。この量はおそらく2gぐらいです。茶葉も沸かすのは好ましくないのでしょう、茶葉を入れる前に火を止めて蓋をして数分むらします。それから80mlの牛乳を入れて温めて茶葉を濾し、少し砂糖を足すと完成です。茶葉を煮出す方法と日東紅茶の解説通りの両方を試しました。気になっているのは抽出量なので、煮出さないのであれば鋳物ホーロー鍋を使う意味がないのではないかと思ってのことでした。しかし結果は同じでした。蒸らすだけでも同様に抽出できました。1g前後の茶葉の量で十分です。
抽出の具合は関東と関西では少し違う筈です。浄水器のメーカー・Kuritaの
全国水質マップを参照すると関東と九州北辺、沖縄は中性に近くなります。京都の料亭の中には東京の支店へ水を運んでいるところもあります。
湯を沸かせば魔法瓶で保管せねばなりません。ちょっと高価ですが正規品のタイガーや象印を求めるべきです。中国人は家にいる時だけではなく屋外に出歩く時も魔法瓶を持ち歩く使用頻度の高い人たちです。彼らは日本の魔法瓶を求めるので中国のスーパーにはタイガー象印ばかりです。ですが違うという、日本旅行で大量に買うのはそのためです。空港でも中国人が通るところには山積みにしてありますが、とにかく日本人が買うところを探します。質が違うようです。それで帰国時に頼まれることがあるぐらいです。
まず保温能力が高いという、中国と日本で同じメーカーが売っているということでしたが、両方購入いたしました。どちらも中国製ですが、売っている国が違います。1.5Lぐらいのものです。ほぼ満量の湯を沸かして投入しますと少し温度が下がりますので、それをまたヤカンに戻して再加熱してまたポットに入れます。すでにこの時点で差がわかります。日本製はすぐに沸きます。

中国製はしばらく時間がかかります。しかし湯は温め直したのですぐに使うのであれば、そんなに温度は下がっていない筈です。ところが、茶の味が違います。中国製は熱を吸うのかもしれませんが、十分に温めたし、ポットに入れてすぐなので温度は下がっていない筈です。しかし明らかに温度が違います。これでは100度付近で淹れねばならない茶であれば、茶葉の消費量に影響してきます。高温が保てるなら茶葉の消費は大幅に抑えられます。茶の味が違うというのも奇妙なことで、ステンレスの材料も違うのではないかとさえ思えます。開けてパーツを調べても質が全然違います。これだけ大きく差があるのなら中国人がなんとかして日本製を手に入れようとするのはわかります。しかも日本の方が安いのです。日本でも中国メーカーのものが安く売っています。それよりタイガー、象印、サーモスは価格が1.5倍ぐらいしますが、価値は十分にあります。しかし全ての茶が高温の湯で淹れられるわけではありません。中国の古くからあるポットは栓が大きなコルクです。保温性能は良くありません。しかし主に緑茶が飲まれるのでその方が良いのかもしれません。何の茶を飲むかでポットを使い分けることもありそうです。
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