80年代の半導体用コンデンサーを使って明瞭な音を目指します。
中華の古いパーツで自作したい向けのものです。コンデンサーと抵抗、インダクター、バイパススイッチは揃っていますが、その他は揃える必要があります。他にはボリューム5つと広域用3接点、中高域用(仕様はカスタム)、低域用2連3接点セレクタースイッチ、配線材、シャーシが必要です。製作上のサポートはありませんので製作できる目処を確認してから購入を決めて下さい。パーツがまとめて放り込まれているのに回路が書いた紙が入っているだけです。しかしパーツの値は全部書いてあり、カラーコードのような解読必要なものはありません。ご質問を受け付けないという意味ではなく、製作できる方用のご自身でのカスタマイズも可能にするパーツ類ということです。3接点のセレクタースイッチは、トグルスイッチの方が安上がりです。この場合ON-ON-ONのものを探します。インダクターは接近させると互いに影響を与えますので最低限1つ分は離して組み込んで下さい。1uFコンデンサー(写真左上角の一番大きいパーツ)は両側から端子が出ていますが、このどちらかを使い、一方はグレーの外面から採ります。グレーの塗装は絶縁ですから導通していませんが、底にはネジ穴が2つあり、そこは塗装がないので線を巻きつけて引き出します。塗装がない部分が他の回路と接触しないように気をつける必要があります。
パーツは多くはないのですが、ボリュームが多い分、小型化は制限があります。そこで値を極力固定化すれば、ボリュームを減らしてコストダウンもできます。調整は雰囲気が結構変わりますが、ずっと使っていると決まったパターンに落ち着きがちです。ですから固定化は一々面倒を見なくても良いというメリットもあります。声やいろんな楽器で使う想定なら固定化はしない方がいいでしょう。
フィルムコンデンサーを使って余り濃くない音を目指したいので、そのコンセプトに沿って高域は、10k,16k,20kで選択できるようにしました。中高域は0.049uFコンデンサーは固定でインダクターで周波数を変える方式です。インダクターは4.7mHを12個使っています。その場合、以下の図になり、推奨は赤色に変えてあります。
4.7mH | 9.4 | 14.1 | 18.8 | 23.5 | 28.2 | 32.9 | 37.6 | 42.3 | 47 | 51.7 | 56.4 |
10488 | 7416 | 6055 | 5244 | 4690 | 4282 | 3963 | 3708 | 3496 | 3316 | 3162 | 3028 |
インダクターは誤差があり、正確な値は書いてあります。4桁で書いてあり「4777」であれば、4.777mHです。全てトータルではちょうど56.4mHになっていますが、ばらつきがあるのでそれを利用して任意に値を変更できます。誤差は最大±0.5mHですから4.3~5.3mHの範囲になります。例えば5000Hzが欲しければ、前の方に値の高いインダクターを使えば、或いは逆も可能ですが、そのように数値を寄せていくことができます(ほとんど変わらないので実行する価値はあまりないと思います)。本回路はハイカットが20kHzぐらいまでいけるので、もう少し高い周波数も欲しいかもしれません。それで0.019uFも付属したので、これも使うとなるとスイッチが増えますから、0.049uFを省くことも考えられますが(この場合3kHzを失います)、17kHzぐらいまで得られます。また、5.6k,6.8kと中華系スイートスポットも得られます。3kは要らないかもしれません。どんな構成にするかでセレクタースイッチを選べます。
4.7mH | 9.4 | 14.1 | 18.8 | 23.5 | 28.2 | 32.9 | 37.6 | 42.3 | 47 | 51.7 | 56.4 |
16842 | 11909 | 9724 | 8421 | 7532 | 6876 | 6366 | 5955 | 5614 | 5326 | 5078 | 4862 |