京胡にはどの絹弦を使えばいいでしょうか? - 二胡弦堂

 


京胡の西皮と二黄  京胡は大まかに二種類の大きさがあります。高音の京胡は「西皮」(xi-pi)といい、低音京胡は「二黃」(er-huang)といいます。写真の右の京胡が西皮で、左が二黃です。二黃は、胴が少し大きいです。大きさの違いはさらに細分化され、様々な大きさがあります。それで、どちらかわからないような琴もあります。汎用というどちらでも使える微妙な大きさの京胡もあります。

 このどちらを使って演奏するかは、楽譜に指定がありますので、それに従います。西皮は63、二黃は52、反二黃(二黃を使い、ドの位置が違う。開放弦の音程も違う。)は15が開放弦になります。だいたいこの3種のどれかで、練習もこの3種をやっていきます。

 音が出しやすくて練習しやすいのは二黃の方なので、これを先に練習するか、西皮の曲も二黃で練習してもいいかもしれません。音も二黃の方が落ち着きがあるので、甲高い西皮よりは、遠慮無く鳴らせるかもしれません。(あまり変わりませんが・・)西皮は演奏される曲に滑音が多く、少し難しい気がします。

 音程は、腔(歌)の音程に合わせて自由に変更します。基本は、二黃 GD、西皮 DA、反二黃 CGで、この前後で調整します。練習の時は、歌に合わせる必要がなければ、この標準音程で良いと思います。

 京胡絹弦は粗弦を使います。二泉胡と同じ弦です。スチール弦の場合は、京胡用専用弦を使います。

 西皮と二黃は、有効弦長がだいたい同じなので、5度も音程が違えば、西皮の方は弦の張りが強くなりすぎます。それで、千斤を下げて音程を合わせます。京胡のような小さな楽器は、弦の張力も音質との関連があるので、音を聞きながら綺麗な音が出るあたりを探り、その後、千斤を動かして音程を合わせます。千斤の位置によって適正張力が違うので、調整を繰り返す必要がありますが、1度適切な位置がわかると、次回から張力のみで音程を合わせられます。

二胡系の楽器で絹弦とスチール弦の両方を使うことがある。  二胡用の細い弦を使うと、音が甲高くなってしまい、京胡独特の甘い音が出ません。

 調整がうまくいかないと雑音がすごく出ます。駒も重要です。雑音がなくなって、良く抜ける甘く丸いサウンドが出ましたら成功です。スチール弦はこういう面倒はなく、簡単に使えます。絹弦を使っての京胡は難しく、専業家の分野という感じがします。しかし味わいはあります。そこで最近は内弦のみに絹弦を使い、外弦は特殊なスチール弦(螺旋曲折式金属琴弦)を使うという方法(陰陽弦と言う)がプロの間で使われています。現物はまだ入手しておらず写真もありませんが、板胡用のもので写真がみつかりましたので掲載しておきます。このスチール弦は楊琴のものを転用します。