絹弦は、最近の西洋音楽とのコラボレーションには、適するでしょうか? - 二胡弦堂

 


二胡のレコーディングスタジオの様子  問題ありませんが、音量の違いの克服が鍵になると思います。マイクを使うのなら、この障害はないと思います。

 アンサンブルの場合は、絹弦を使うという楽団は今でもありますので、全体のコンセプトが一致していれば使われています。半世紀以上前には、欧州の諸楽団も生ガット弦を使用しており、もちろん楽団なので各種管楽器と合わせますから、古い規格の弦だから合わないということはないと思います。

 30年代頃には、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団がE弦に絹弦を使っていた実例があるとされています。欧州ではそれまでスチール弦が主流だったので、ガットや絹弦を使うのは当時最先端だったと思われます。楽団の公式サイトにロゼーの1930年に撮影された写真がありましたので以下に掲載しておきますが、この写真からは彼がどんな弦を使っていたのか、はっきり知ることはできません。

 どんな音楽を演奏するかの方が重要かもしれません。二胡があらゆる音楽と必ずしも合わないかもしれないのと同様、絹弦にも合わないものはあるだろうと思います。

ウィーン・フィルのコンチェルトマイスター、アルノルト・ロゼー