琴軸 チンジゥ qinzhou
二胡は二本の弦を使います。それぞれの弦を巻いて固定するのに2つの弦軸が必要です。二胡用の弦は細い弦と太い弦があって、音の高さを変えて役割分担しています。音程差は5度で、太い内弦はDに合わせ、上の弦軸に反時計回りに巻き付けます。細い弦は下の弦軸に時計回りで巻きAに合わせます。金属製の弦軸もあり正確に音程を追い込みやすい特徴がありますが寿命があります。
千斤 チェンジン qianjin
紐製が一般的ですが、金属や動物の角、木材で作られたものもあります。千斤から駒の間で振動させて音を作ります。弦の有効幅は39cmが標準です。千斤より下を指で押さえて音程を変えて演奏します。千斤の高さや幅は、音質に影響があるので注意深く調整します。
琴杆 チンガン qingan
ここに左手を沿わせて、指で弦を押さえます。この部分の材質はとても重要で、二胡の価値を決めます。優れた材は鉛のような質感があります。蛇皮は交換できますが琴杆は交換できないので、選択できるなら注意深く選びたいところです。
琴胴 チントン qindong
蛇皮を張っている共鳴胴です。この後面から音を出します。外面の形状は、六角、八角、丸、楕円、ラッパ型等々いろいろあります。現代の楽器は、内側の工作で音響工学に基づいたカーブを施しています。材質は基本、琴杆と同じ物を使います。必ずしも同じ木から取る必要はなく、どちらかというと琴胴は棹に比べれば柔らかめの堅木を使う方が良いようです。取材法にもノウハウがあります。
琴弓 チンゴン qingong
馬尾を竹で固定したもので、馬尾に松脂を塗って弦を擦って振動させます。竹や馬尾にも種類や産地があって、グレード分けされています。竹の太さや節の数によっても使い心地や音色が変わります。演奏の技術的観点からであれば、二胡本体よりも弓の方が重要です。
控制綿 コンズミィェン kongzhimian
スポンジ、フェルト、皮など様々あり、これらを組み合わせたものも市販されています。千斤よりも6度ぐらい高音の位置で、"狼音"という雑音が出るのを防ぐために必ず使用します。音楽の味わいと雑音は表裏一体なので、完全に雑音を消すのは良くなくバランスが必要ですが、それを調整する1つの重要なポイントがここです。どんな素材をどれぐらい使うかは、これも技術の1つです。
琴皮 チンピー qinpi
ニシキヘビの皮を使っています。野生の蛇皮は、雲南省、ビルマなどで捕獲されています。養殖はベトナム産が主です。
琴码 チンマー qinma
いろんな材料や形状のものがありますが、二胡の部材の中で最も結論を出しにくいところです。二胡の状態によって駒との相性は変わってくるので、どの駒がどの二胡に合うということは使ってみるまでわからないし、相性が合う期間は数ヶ月ぐらいという場合が多いです。合わなくなったものがまた使えたりすることもあるので捨てられず、どうしても数が増えてくる部材です。
玳瑁 ダイマオ daimao
ここは弓棹や馬尾が当たるので、二胡を保護するために主にプラスチックの板を当てています。高価なものでは鼈甲を使うこともあります。白一色か鼈甲柄のプラスチックが主流です。