光舜堂制作の松脂です。
この松脂は割れ止めなど入っておりませんので、割れやすいですので、桐の板に張り付けて、桐の箱に入れてあります。光舜松脂が壊れた場合、湯煎や電子レンジで熱して直すことはできませんので、直したい方はご連絡ください。料金は¥1,100、送られてきた分量の80%ぐらいになります。
最初に光舜松脂を今まで使っていた弓に塗る時には、同封した眼鏡拭きで、弓毛についている以前の松脂をよく拭き取ってください。
松脂を塗るのは、弓毛に軽く置いた感じで、滑らせるようにゆっくりと、数回往復すれば十分です。新しい馬毛には、10回くらい塗る感じです。ごしごし粉が飛ぶほどこすりつける必要はありません。今まで使っていた松脂よりも、もっと少量ですみ、長い時間弾き続けることができます。一応普通に使えば10年は使えるくらいの量を入れています。
二胡には老松駒が最良とのことで製作いただいたものです。
松というとおそらく世界中にある普遍的な材料です。これに含まれる松脂というものは多くものに使用されています。写真や塗料の光沢など輝くものに使われているようです。鉄やガラスなどコアな材料がありますが、その中に含まれます。大量に入手可能です。ですから松というのは安価です。
ですが、松を使った二胡駒はそんなに出回っていません。その理由は、材料の中に松脂成分が多くて加工性が悪く、ヤスリがすぐにだめになるなどいろいろな問題があります。松にも年輪のような層があります。夏は柔らかく、冬は硬いので、その硬い部分に弦が当たるようにします。かなり面倒です。それで二胡駒で松となると安価なのものはほとんどありません。いずれにしても柔らかい材なのは確かなので、それほど耐久性はありません。それで紫檀の薄いもので弦を受けるようにしています。
松が優れている理由は弾力性にあります。指で摘むとわずかですが、スポンジのように凹みます。これが弦の振動を理想的に受けるようです。これをさらに理想的に蛇皮へ伝達するためには弦の張力の理想的な受け方が必要です。駒の上下で弦の角度が違います。上は千斤までで遠く、下は短い長さしかありません。そこで角度を付けています。西洋楽器の駒も少し倒すようで原則は同じです。しかしこの構造は機械化ができません。中国駒ですべて同じ構造のものは旋盤を使っていますが、このような製造法には合わないので手工生産でしか作れません。