絹弦は、どの材木の二胡と相性がいいですか? - 二胡弦堂

 


 弦の材料と木材との関連性はないと思います。スチール弦も様々な個性のものがありますがそれはそれであって、二胡に使われている木材はこれはまた別に評価すべきものだと思います。

 スチール弦の場合大まかに中国弦と欧州弦に分けられるし、それぞれも個性は様々な種類があります。その中で絹弦は中国弦の一種とみなした方がわかりやすいと思います。中国弦、現在幾つの銘柄が出ているのかわかりませんが、仮に29種だった場合、それに絹弦を足して30種の選択があると、まず絹弦とスチール弦の2種があって、そこから細かく分かれるのではないということです。もちろん、絹弦となれば若干奏法が違うので、スチール弦とは切り離して考えないといけないのは間違いありませんが、それは演奏の観点からそう言えるのであって、品物そのものの比較、音色とかそういったものの比較になると、絹弦とスチール弦は全く別物と見做すほどの違いはないと思います。欧州弦と中国弦が全く別物であるというのであれば、絹弦も全く違うものではあろうと思いますが、何れにしてもそのことが、選択する二胡の材に影響を与えることはないと思います。

 絹弦を数多ある弦の1つと看做すのではなく、古曲のために使いたいという観点で見るならば、少し考え方は変わってくる可能性はあります。古曲の演奏においてどのような材を選択すべきか、物を限定するような見方はすべきではないことは前提にしつつも、それでもやはり花梨や老紅木あたりが普通の選択であろうと思います。一方で戯劇においても絹弦が好まれることを考えれば、紫檀や黒檀でも絹弦の味が楽しめるであろうということは推測できます。弦と材のマッチングの妙を楽しむのも良いのではないかと思います。