古曲を演奏するのに古楽器は必要でしょうか。 - 二胡弦堂


 必要ということはないと思いますが難しくなります。文革以降の新しい作品は古楽器や絹弦と必ずしも相性の良いものではありませんが、その逆も同じことが言えます。新しい作品はスチール弦に現代二胡で演奏する方が演奏しやすいだけでなく響きも合います。同様に古曲の独特の技術的要求に応えるのは絹弦が拉きやすく、響きも古楽器の方が合います。そもそも「古曲」とは何なのでしょうか。

 古楽と古典、古曲というとそれぞれ違うように思いますが、かといって明確な線引きは難しいのですけれども、重要なので整理しておきたいと思います。二胡は文革期以降に弦も楽器も変わってしまい、それまでとは別の楽器になりました。それと共に演奏される音楽にも変化がありましたが、それらの新作の中にも古典的な作品があります。絹弦と古楽器は今でも使われていますが、それと同様、古典は現代でも演奏され作曲もされています。そしてそれらの作品はスチール弦と現代二胡でも十分美しく演奏できます。50年代以前の古い作品も現代楽器を使って演奏できますし、そこに問題はありません。しかし演奏の方法は現代化しています。つまり劉天華や阿炳などは古典作品であることは間違いないのですが、演奏の方法によっては古曲という捉え方もできれば違ったりもするということです。劉明源はもっと新しく、文革以降にもかなりの作品が作られましたが素材は古いものなので、これも演奏法によっては古楽といった方が良いこともあるのです。古楽はほとんど戯劇ですが、古曲というと民歌や器楽作品が主です。戯劇作品は古いものでも結構問題なくスチール弦が使えますが、古曲となると難しくなる傾向があります。演奏はできますが、独特の音響効果が出しにくくなります。弦と楽器を選ばず、何でも使えるのはかなりの上級者です。

 中国における「古楽」は一般的な学問的定義に従うと敦煌から元曲ぐらいまでに相当するようです。「梅花三弄」や「陽関三畳」といった曲で知られています。元代以前の音楽は遠く現代にまで影響を及ぼしているので古楽の影響はあらゆるところで見受けられ、そうして見ていくと劉天華や阿炳のような20世紀の作品ですら古楽の発展形、その一部ということになってしまいます。どのように旋律が継承されてきたか研究している人さえいます。使われているのは旋律的素材なので、古いものであるとはいえ現代的にアレンジすることも可能です。これは作曲方面だけでなく演奏法についても言えます。




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