絹弦と相性のいい松脂(ロジン)は何でしょうか? - 二胡弦堂


 これは、個人の好みもありますので難しい問題です。しかし、弦の選択と同様、音色や演奏フィーリングを左右する非常に重要な部分ですので無視することはできません。二胡を演奏するのですから、やはり第一には中国製の松脂を選択したいものです。中国の松脂は音量が大きく、二胡の個性に合わせて練られており、音がまろやかになる傾向があります。

 弦の素材はある時点でスチールに変わりました。松脂はどうでしょうか。文革期に弦がスチールに変わっていったのはだいたい半世紀前ですが、それ以前と以降で中国の松脂は改良されたのでしょうか。古い松脂が見つかることがありますが、特に改良はしていないようです。そうであれば現代の中国製松脂は絹弦用として開発されたものだということになります。絹弦時代に配合が決められたものだということです。絹弦仕様の松脂をスチール弦に使っても問題ないのですから、その逆もしかりであって、特に問題にすることとは思えませんが、弦への噛付きに問題が生じればこの件は思い起こす価値があります。

 欧州の弦楽器用のものも良い選択です。音が鈍い楽器を使う場合は欧州製の方が良いようです。しかし松脂で何とかしようと言うのはその前に別の問題がある場合が多いと思います。まず中国製の一般的な松脂が合うというのは前提になると思います。楽器を簡単に変えられないとか、やむにやまれぬ事情がある場合は松脂での調整は1つの方法だと思います。

広西の天然松脂 右の写真は、中国・広西チワン族自治区の天然の松脂です。これは京胡用に使う物です。1kg単位で購入します。こういう天然のものは滅多に見つかりません。通常、松脂はメーカー独自の調合で製造しますが、このような天然状態のものを使う場合もあります。私はこれを適度に破壊して手頃な大きさにした後、持ち歩いて二胡にも使っています。人工的な混ぜ物がないというのは、こんなにも率直な音が出るのかと驚かされます。飽きが来ない松脂としては、これを上回るものはこれまで見たことがありません。非常に率直な音がしますが、二胡の場合は馬尾の弦への強い噛みつきが求められますから、天然のままであれば滑ってしまうこともあります。その場合は市販のものも併用したりします。それでもこういう天然の松脂をメインにしているというのは音の明晰さが得られやすいので良いものです。




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