二胡を演奏する時の揉弦(ビブラート)にはどんな方法がありますか? - 二胡弦堂


 このご質問は西洋楽器を演奏していた方が二胡を始めようとされるときに一番気になる疑問のようで、バイオリニストからの質問が多いです。西洋楽器は指板があるので揉弦の方法は限定的で、弦を指で押さえつけた状態で手を前後に揺らします。しかし二胡はそうではなさそうだ、というものです。

 二胡の揉弦の方法は多様で、目指す表現によって様々なアクションが用いられます。しかし二胡考級の2級では揉弦の方法が特定されており、それは西洋楽器と同じものです。表現や方法は様々なれど、まず基本を習得すべきという考えのようです。おそらくこれはスチール弦に変わってから主に採用されたものだろうと思います。この揉弦の場合、注意すべき点は「ゆっくりと指を揺らす」ということです。簡単そうですか。やったらわかりますが、速い方がはるかに簡単です。ゆっくりができれば速いものもできますが、その逆は難しいものです。練習は2(中指)か3(薬指)の指を使います。それから後の2つの指でもやってみます。

 ビブラートの時に重要なのは上半身が脱力していることです。重心が下に下がり、そのため肘は下がり気味になります。ビデオの中ではとにかく速くならないように注意が促されています。

 他にはおおまかに2種あるとされているようで、1つは指の圧力を小刻みに変えて弦を圧迫するように押さえたりゆるめたりを繰り返すというものです。压揉と言います。絹弦ではこちらの方法の方が多く使われます。この弦を指で押さえつける、という方法1つ取ってもバリエーションがあり、蒋風之訂譜による漢宮秋月(10級。元は広東音楽の、この曲のレコードを買った劉天華が二胡用に編曲して、演奏法を弟子に教えたものを彼の6人の高弟の1人、蒋风之が後世に残した譜子)に記載された指示を見れば、幾つかあることがわかります。(しかし蒋の訂譜と書いてある譜子でも、オリジナルの指示がほとんど書いていないものが多くあります。漢宮秋月は譜面通り数字を追って拉くのは簡単ですが、古典の様式通りに拉くのはかなり困難です。)江河水は、特定の指定された箇所で揉弦と压揉を使い分けます。それ以外の箇所では、揉弦を掛けてはならないとされています。

 また、三度かそれ以上のかなりの幅を指で擦る揉弦もあります。河南音楽、秦腔、郿鄠などで見られます。

 さらに、腕ごと揺らして大きく揉弦を掛けるというものもあり、開放弦を鳴らしながら、弦を押さえていない状態でこの揉弦を掛ける場合もあります。これは蒙古音楽で見られます。

 二胡の宙に浮いた平行する二本の弦は常に安定しないがゆえに、フレットがある楽器にはない表現力があります。揉弦1つでも細かく表情を変化させることができますが、どんなバリエーションがあるのか追求するのは意味のないことです。なぜならそれだけでは適用はできませんから。実際にそういうものが使われている作品で学習するのが良いと思います。




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