黄龍山4号坑冷金黄 - 二胡弦堂

 

黄龍山4号坑冷金黄
約130cc ¥55,000

 写真掲載のものは少し使用して輝きを出してみました。少し出てきただけなのでまだまだ育つでしょう。

 4号の深い層には底槽清、緑泥、青段などがあります。緑泥に対し紫泥が混じっている芝麻段もあります。現場写真を見ますと紫泥も見えます。しかしこの現場写真を見れば、緑泥の層にうっすらと朱泥が分布しているのがわかります。純粋な緑泥が採れるのかどうかはわかりません。緑泥の特徴として鉄分が少ないというものがあります。ですが、本品は大量の鉄が混じっており黒い点がたくさん見えます。不純物が多いことを示しています。不純物は朱泥です。割合としては僅かです。しかしそのためこのように白っぽくなってしまっています。

 明代の書物・周高起著「陽羡茗壺系」に冷金黄の記載があります。黄金段は朱泥と緑泥の共生鉱ですが、朱泥が減ると濃密な黄色にはならないようです。念のため、5号坑本山緑泥も並べていますが、比較して明らかに白っぽいです。朱泥を増すと、黄色にもっと赤寄りにしたような色になります。

 緑茶と普洱生茶にはおそらく最高ではないかとされています。明代の泥はより黄龍山に寄った所から採掘したものなので(と言ってもほとんど離れていないのですが)、本品とは完全に同じものではない可能性が高いですが、明代に珍重されて最高とされて書籍にも記載されている程なので、やはり緑茶には確実に合うのでしょう。天然の高貴な色彩、味わいも同様です。埋蔵量が少ないのが残念です。

 コクや余韻は少し削り、その代わりに茶、というより茶湯を引き立てる、そのため本質的に良質の茶でなければ発揮されず、また茶の素性をわかりやすく提示するようなところがあります。茶とは水が命なんだな、と思わせるものがあります。茶を美味しくするなどは庶民的だとすれば、これは貴族的です。安価な茶を飲むには使いにくいものです。