蜀山陶業生産合作社製 紫泥潘壺 - 二胡弦堂


 50年代後半の古い茶壺です。結構使い込まれています。単孔です。

 この辺の古い紫泥の茶壺はだいたいどんな茶にも合います。特別強い個性があるというわけでもないですが、工作も安定していますし、一方であまりがっちり作りすぎてもいないですし、普段使いには上等だと思います。

民国ぐらいから半手工と言って型を使う工法が出てきて(型を使っていた方は「蜀山陶業生産合作社製 清水泥鐘壺」参照)、現代では割と価格を抑えた製品に使われますが、昔は王寅春ら巨匠が型を使っていて、そういう作品が博物館入りしているぐらいなので状況はだいぶん違っていたようです。今だとコンピューターを使って樹脂で型を作ることもできますけれども、昔は優れた型を作るぐらいだったら、もっと単純な工具で製造した方が手っ取り早かったのだろうと思います。これぐらいの時代の茶壺は確かに継ぎ目があってろくろは使っていないことがわかりますが、それも丁寧に継いであって、それなのに胎にはろくろ挽きのような線が結構入っています。木材とかそういう材料で曲線の工具を作ってそれで撫でているんですね。それがしばらく使って古くなってくると線がはっきり出てくるのです。この時代は結構こういうのは多いですね。作りが雑な方がこういう線はない傾向がありますが、そういうのを見るとこの時代は工具を使うというのは高品質の条件だったのかもしれません。佇まいもしっかりしていて、普及品のような間抜けな感じもなくて(日本人は歪な方を愛したのですが)、造形が全体的にキリッと締まっていますね。

  ¥12,000


 茶水が何度も通されてきて、外面にも白味がありますが、磨けば落ちると思います。そういうことをすると光沢を失うので如何なものかと思いますが、また少し使っていると光沢は戻ると思います。だいぶん胎に茶の油が染み込んで良い感じに育っていると思います。なかなかここまで育てるのも大変なので手っ取り早くて良いと思います。

容量は約140mlです。青磁の皿は含まれません。




















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