中国音楽用機材 - 二胡弦堂

中国で巻いたトランス

現代中国製トランス  現代に製造された音響トランスです。パーマロイコアを使用したマイクロフォングレード(これはライン用なのでマイクのインプットに使うものではありません)で、さらに同じパーマロイによるケースに収めた上で樹脂のケースに格納し端子と接続してあります。トランスは2つ、ステレオ仕様です。中のトランスは銀色の四角のケースに収めてあるので見てもしょうがない、それで外観しか撮影していません。

 現代の中国では世界の大半のものが作られていますが、音響トランスも例外ではありません。機械で大量生産されたすごく安いものが大部分ですが、一部に高級品も作られているので世界の最新研究を反映した手巻き生産ものも入手できます。このトランスを巻いた会社は英国や日本の有名オーディオメーカーにも供給していますので品質は問題ないのですが、我々が求めるのはそこではなく中国特有の毒が出るか否かなので、こういう外国御用達の技術に優れたメーカーが大いに本領を発揮して高性能だがおもしろみのない、或いは外国ナイズされた思想の欠片も感じられないものは必要としていません。機械巻きだとどうしてもこうなりますが、手工生産、そして外国から指示を受けずに自分たちが思うように製造するとやはりお国柄は出るもので、中国が作ると中国文化の感じさせるものになっています。現代はよりハイファイなのでヴィンテージ程のコテコテの毒はないですが、その代わりに中国音楽の魅力は十分に伝えつつ、いろんな音楽をそれなりに乗りこなす幅広さがあります。一般的にはこれがファーストチョイスだと思います。

          ¥8,000

中国製の音響トランスについては、中国音楽の再生と録音をご覧下さい。端子は上が入力、下が出力ですが、逆に挿すこともできるので、比較してどちらかで使うことができます。ラインレベルに挿して使用します。



ヴィンテージ・トランス

 建国(1949年)~文化大革命期(70年代)に制作された各種トランスです。かつてオーディオというと高級な趣味だったので、そういうものに使われたトランス、さらに軍用で朝鮮戦争以降に作られたトランスも含まれています。まずこれは中国にしかないであろう独自のビューティフルサウンドです。コテコテに艶やかなサウンドが展開され、世界のあらゆる音楽を中国4000年の歴史に基づき再規定します。アルゼンチンタンゴ、戦前戦後のウィーンの交響楽、三文オペラ時代のベルリンの音楽などを半端なく濃い毒まみれの音楽に変貌させます。最も相性が良いのは30年代租界時代の上海歌曲、テレサテンなどの中華物です。つまり廃頽色の強い音楽向きです。椎名林檎とかそういう感じの。しかし空間系とか立体感を重視した音楽には向きません。この立体感がないというのは不明瞭になるという意味ではありません。むしろ非常に鮮明になって迫力が増します。音のキレも鋭くなります。ドラムは破壊力を増し、ベースラインまで聞こえるようになります。YouTubeの視聴は快適になります。鮮明さについてはこれは特に中華のトランスだけの特徴ではありません。トランスを入れるというのは大体明瞭さを増すものです。そこから欧州のものであれば立体感はあるし、東洋は濃密になるという特徴の違いがあるということです。東洋の妖艶さは西洋にはないものです。写真は蓋を開けて撮影していますが発送される時には閉まっています。4種類ありますが指定いただくこともできます。新しいものであれば特性上のばらつきがなく、ステレオペアも簡単に構成できますが、こういう古いものは全部モノラルで特性がバラバラです。それである程度大量に購入できないとマッチングを探せません。それでも現代の製品のように完璧には合っていません。わずかなので使用上問題になってこないと思いますが、厳格な要求がある場合は現代に製造されたものになると思います。

          ¥18,000

 幾つか接続の方法があり、出荷状態ではインプットが400Ω(5-7)、アウトプット1kΩ(3-4)になっています。ヴィンテージトランスもう一つ5kΩ(1-2)も使えます。市販の多くの機器はアウトプットが150Ωなので、この3つのうちどれでも繋げられるし、機器のインプットは10kΩなので、こちらもやはり3つのどれでも繋げられます。出荷状態が一番具合が良さそうなのでこうしていますが、逆に1kΩをインプットにする方が良い場合もあります。

 ケースの外面に傷が目立つものが1つあります。15,000円になります。カートのメモ欄でご指定下さい。




高周波用トランス

 トランス ~ 中国音楽の再生と録音でBATPUREに使用しているトランスです。普通のスピーカーには直接使用できませんがラインレベルで使うことはでき、その効能についてもリンク先で解説してあります。ケースはヴィンテージトランスと同じものです。BATPUREは付属していません。本品はトランスだけです。

        ¥18,000



中華マイク

 マイクの生産はドイツ、日本、中国で、多くの製品が現在中国製になっていますから、中国製のマイクを手に入れるのは簡単です。むしろ、中国以外の地域で作られたものを手に入れる方が難しくなってきています。しかし入手できる多くの中国製マイクは外国からの要求に沿ったもので、完全に"中華"を体現したマイクではありません。大陸ではこのことに不満を持っている層がまだ一定数いますので、中国国内でのみ販売されている純中華のマイクがあります。各役所や企業で予算を決定する人たちの世代が変われば、こういうものはなくなっていくのだろうと思いますが、今の所はまだ色々あります。二胡を収録するためにはやはりこういうマイクの中からダイナミックマイクを選択したいものです。特性としては外国のものの方が優れているかもしれませんが、二胡とマッチングしなければどうしようもありません。高い親和性を求める場合、どうしても中華純正マイクになってくるだろうと思います。そこで旧北京第一無線電機材廠製造のマイクで高グレードの(必ずしも高グレードが良いかどうかは別なのでそこは比較していますが)しかしやや特殊な形状のマイクですが、これがベストなのではないだろうかということで入荷することにしたものです。非常にコッテリした濃いサウンドで、甘さも感じられますが、一般的に普及しているダイナミックマイクと比較してゲインが20dBほど高いので使いやすいということもあると思います。マイクプリに業務機材を使っておられる方であれば問題ないと思いますが、市販の安価なミキサーを使っているという場合は、利得が60dBぐらいで、確かにその最大値あたりでも音自体は出るのですが、どうしても歪みが目立ちますので控えて使いたくなります。このマイクであれば、そこを40dBぐらいに落として使えるというのは大きなアドバンテージです。このマイクは振動膜に純金を被せてあるのでメーカーの方で"高グレード"とランクしてあります。外観の雰囲気もそういう感じを漂わせています。こういう素材を使うのは昔にはなかったものなので、古い設計ではありません。しかしこのマイク自体はすでに相当なロングランで、金箔に関してもすでに20年前に開発したものなので、基本設計自体は伝統的なものです。中華のこれまでの長年の土台の上にさらに高められた新設計ということになります。これが現代の録音シーンで中華の味わいを求めるのにベストなのではないか、このように感じられるものです。

        ¥9,000 2018年秋頃入荷(予約可能)


 周波数特性は低域は200Hz付近から減少しています。高域はせいぜい10kHzまでです。メーカー発表では50~14kHzになっていますがグラフを見た方が特徴はわかりやすいと思います。グラフを見るからに凝縮された二胡の音が集音できそうです。さらに+2dB前後のピークが2kHz付近、7kHz付近にもあります。7kHz付近はその前後をかなりカバーしていますが、二胡はこの辺りの音は出るものの弱いのでそこが強化されているのは使いやすいと思います。グラフは+20dBで表示されており、これは弦堂の確認と一致していますが、グラフでこのように表示するということは意図的に高ゲインで作ってあるのだろうと思います。二胡は音がそれほど大きい楽器ではないので、マイク自体がしっかり音を拾うのは使いやすいものです。このようにあたかも「二胡専用設計」なのだろうか?と思うほどですが、実際にはこれはスピーチ用です。スピーチ用というのもまたそれほど多くありません。一番多いタイプはカラオケ用だと思います。スピーチ用は声を真面目に考えて作ってあるので、その辺りが二胡にも合う理由でしょう。

 付属品はグリップ、台座、20mケーブルです。グリップと台座は分解されていますが、ドライバーか少々器用であれば素手でも回せば取り付けられます。グリップは非常にチャチなので、気になる場合は洗濯バサミのように固定できる、もっと高グレードのタイプのものに変えれば安定すると思います。ケーブルの品質も付属品の域を出ないもので特に端子の信頼性は業務仕様とは思えません(中国のものが全て悪いわけではなく、これに関しては悪いと断定せざるを得ないということです)。こういうものは本当は付属したくないのですが、とりあえず自宅にマイクを常設、端子を刺したり外したりをあまり繰り返さない環境であれば使えるし、メーカーの考えている基準もわかるので、業務仕様のケーブルに変えるにしても一応参考になると思います。ケーブルの端子はライブであちこち行く方であれば半年でダメになると思います(マイクが壊れたと勘違いしないようにお願いしたいところです)。価格はマイクだけだと思っていただければと思います。なぜかマイクだけはしっかり作っており、こちらは(弦堂でも検品済みですが)長期間使えると思います。それだったら、付属品を外して弦堂がきちんとしたものを付属すれば良いのではないでしょうか? ケーブルも重要です。中華の高グレード品であればさらにマイクの特性を引き立てます。しかし価格がケーブルだけでもマイクと同じがそれ以上します。これが結局、メーカーがマイクに良質のケーブルを付属できない理由なのです。良いものをつけて価格が上がってお客さんに理解されません。だけどケーブルが無いのも苦情が出ます。そこでこういうものを付属して音が出なくなればまた買わせます。ケーブルを複数持っていれば比較して端子が壊れたのはわかりますが素人がそんなに持っていないので問題点を特定できないのです。この点をどうするかはかなり悩んだのですが、そもそもこういうマイクに手を出すのはかなりのレベルの人材と思われるので、この説明でほぼ全容が把握できるであろう、メーカーが用意したままで良いのではないかということで、このようになりました。メーカーの方もそういう狙いでこういう付属の仕方をしています。こういうマイクを敢えて求める方はすでにドイツや日本のマイクを知っていて、それと比較すれば「ああ、そういうことか」となると思うのですが、これまでカラオケ用マイクしか知らなくてこのマイクであれば「ん?普通かも?」ぐらいの感覚しか持ち得ないと思いますし、中華に9000円も払うのだったらシュアーあたりに行くでしょう。シュアーに行かなくて中華に来る人はちょっと想像できないですが、万一、そういう方が購入されてはいけないのでここに付属品についても詳しく注記した次第です。それと、どうせ中華以外に行くのだったらシュアーでなくてゼンハイザーに行って欲しいですね。値は上がりますがね。行けばここで言っている意味が全部わかるでしょう。




二胡ピックアップ

 二胡にピックアップをつける方法はいろいろ考えられます。付ける場所が悪いと音が暴れたり、弓棹が胴を打つ音などが入ります。一番ベストな方法は、ピエゾを控制綿で包むことです。本品は中国弦楽器に最適な大きさで作ってもらっています。全長は30cm前後です(ロットによって長さがちょっとずつ違って一定していませんが問題ないでしょう)。フォーンプラグを挿して接続しますので、ミニプラグのように磨耗に悩まされることはありません。接続先はマイクプリ、インストルメント端子、アクティブDIのどれに挿しても使えます(マイクプリはインピーダンスマッチングが取れない筈ですが、波形を見ても変わらない、聴感上も問題ありません。いわゆる電流駆動になるようです)。必要なゲイン(音の増幅率)は、音の小さい古楽器、その中でもさらに小さい上海皮、さらに音量が下がる絹弦という悪条件?でも20dB程です。コンデンサーマイクと同じぐらいありますので、ダイナミックマイクからこのピックアップに変えると大幅に音量が増しますから、安価なミキサーのようなヘッドルームが低い機器でも十分にドライブできます。ファンタム電源は要りません。コンデンサーマイクとは違い、ハウリングに非常に強い設計です(設計というよりもピックアップを綿に包んでいるために過度の振動を受けないからでしょう)。ゲインが下がるパッシブDIに使う場合は注意が必要で、その前にアンプを繋いでゲインを稼いでおかないとノイズがかなり載ります(後段でゲインを稼ぎさえすれば一応音は出ますが)。話し声とか会場のノイズ、別の大きな音がする楽器の被りが入らないのでライブではマイクよりはるかに使いやすいと思います。平面の方(写真左)が吸音面で、蛇皮、弦のどちらに向けるかで音が変わります。どちらも使えますので楽器の特徴や演奏の狙いに適った方を使ってください。蛇皮に向けると重心のある安定した響き、弦に向けるとソリッドになります。尚、ピックアップを弦に、或いは蛇皮に密着させるのは良くありません。しかし一回試してみると傾向がわかるので綿の巻き方の参考になると思います。AcoFlavorを使ったものと比較した録音も参考にしてみて下さい。

         ¥2,500

二胡ピックアップ



二胡用ダイレクトボックス(DI)

 二胡にピックアップを使用した場合に使えるパッシブDIです。パッシブDIというのはつまりトランスなのですが、高いインピーダンスから低いところに変換するのでゲインをかなり失います。しかしここにトランスを使うのは音質面で非常に効果的です。確かに多くのゲインは失うのですが、その代償として得るものが大きいのでギターやベースでは現代に至るまで使われています。これまで二胡用のピックアップは問題が多かったので、その後段に使うDIもありませんでしたから、ここで用意することにいたしました。普通この種のDIは単チャンネルですが、これはペアで2チャンネルとしました。ダイレクトボックスピックアップにアンビエンスマイクの音を混ぜたいという時に2チャンネルあった方が良いということや、ペアで演奏する時、またステレオ再生で使用する時にも使えるからです。2つあるのは何かと用途が広がります。トランスは50~60年代真空管用だったものです。インピーダンスは1次側が50kΩ、2次側が600Ωですが、端子は600Ωを上、50kΩを下にしてあります。DIとして使う場合は下がIN、上がOUTです。

 ピックアップからこのDIに直接接続することは好ましくなく、間にブースターかアンプが要ります。DIの後ろはマイクアンプかアクティブDI、インストルメント端子、ラインとか一定のゲインが得られるものに繋ぎます。ライブの場合であればミキサーが多いと思います。このDIの後段はいろいろあるので個人の判断で良いと思いますが、PUとDIの間は何か推奨できるものを検討中です。あまり選択肢がなく難しいところだからです。前段が確定すると後段にどういうものが必要か仕様がはっきりしてくると思います。うまくいけば3月には全体を確定させることができると思います。

         ¥18,000

 固有のサウンドを確立するためにマルチ録音の初期から使われてきた手法で、有名な例として下に資料を1つ貼っています。もともとモータウンが使っていたトランスはUTC社のもので、こうしてアメリカの音楽にアメリカのトランスでよりアメリカ色を強めていたのですが、トランスを使うのがDIの位置だったということで、この手法は今でも使われています。これはギターの中にアンプが入っているタイプ、エレキはそうですが、アコースティックでもアンプで増幅された音をDIに入力します。増幅された音はDIでかなり失いますので、利得を得るためにマイクアンプに繋がなければならないと書いてあります。
Acme Motown D.I.
 このDIは見たことがないので仕様からの推測ですが、トランスは1つで入力が2つ、出力が1つです。まさか1つの巻線に2つ入力しているわけではないと思うので巻線は2つあると考えたいですが、インピーダンスの異なる別のものを互いに挿す可能性が高いのでそれでも干渉しないということであれば結構特殊なトランスだと思います。アッテネーター(ボリューム)は必要なのでしょうか? ゲインがかなり下がるところをさらに下げるという話なので奇妙ですが、普通はパッシブDIの場合、ボリュームは無いものが多いと思います。無駄につけているわけでは無いと思うので、ボリュームあたりでも音作りをしていこうということなのかもしれません。単純には比較できませんがこのDIは1つで6万、2つで12万ですが、中華DIは18,000円と大差があります(しかも端子は米スイッチクラフト社製で、節約しているわけではありません)。中国の場合は新作だとより安くなりますが、デトロイトで古いものを復刻すると結構コストがかかるのでしょう。最近、米国の産業界が、中国の人件費が上がったから本国に生産を戻すと、それなのになぜか米国製になったら何でも非常に高価になってしまいました。問題は他国の人件費ではなくて自国の雇用ではないかという気がします。中国の人件費は確かに上がっていますが製造水準も高まっているので分野とか物にもよりますが、むしろ安くなっているものも結構あります。こういうトランスの場合は作った地域の文化が出るので米国の音を得たければ米国で巻かねばならず、だからこそデトロイトにこだわっているのですが、こういう考え方は経済度外視なので贅沢なものです。1個6万だと、中国人から「何で? うちに任せなさい」と言われてしまいかねません。スペックは完璧、しかも驚愕の速度による納品さえ可能なのです。それでも文化を考えるとトランスは各国で巻いて欲しいと思います。




弦堂謹製イコライザー

 中国音楽にマッチングするイコライザーというものが適当な価格で市場にありません。マッチングとか、良いものといった曖昧な表現は何ゆえか、体験によって理解すべきことをあまり語りたくないのですが、以降の説明にも影響があるので少し・・。現行の業務機材は中が非常に微小なパーツで構成されていて、回路は複雑なのですがコンパクトに作られています。パソコンの中身と似たような感じです。こういうものとハイエンドのデカいパーツを使っているものでは音の有機質が違うのではないか、プロ機材は大まかにこの2種で大別できるように思います(世間ではこういう区別はおおっぴらにされていません)。大きなパーツを使うとハンドメイドになってしまい、中古の車みたいな価格になっていますので、プロではない愛好家にとってそういうものはなかなか選択肢に入りません。イコライザー1台買ってそれで済むというものでもありません(1台あるだけで見えている風景まで変わるぐらい全然違うのですが)。二胡のようなサウンドの楽器にとって音の有機質は極めて重要、おそらく中国楽器全般にとって音の濃厚さは重要ですが、そうすると音を通すパーツは無視できません。それともう一つの問題点は、イコライザーというものが業務機材なので、あちこち移動して演奏活動する人にとって扱いにくい面があるということです。コンパクトで軽く、使う機能だけあれば良いというものがありません。ミキサーのイコライザーは全く使えないと思います(ハウリング防止などネガティブな用途で使われることが多いと思います)。コンパクトであっても内容に妥協するぐらいであれば必要はありません。全然違うのがすぐわかるぐらいでないといけません。そこでこれらの問題を解決したイコライザーを標準とモバイルの大まかに2種で考えています。研究はかなり進んでいて、弦堂で試験機(写真)をしばらく運用するなどして結論は出ています。使うパーツは古い中国解放軍製を重用しますので、全て単品製作となり、全く同じものはおそらく2つと作れません。1つ1つ数値を合わせていきます。古い、特に軍用パーツは何十年も耐久しますし、中華の音が出ます。しかし数が入手できません。2018年秋ぐらいに入荷を目指しています。電子製品は中国から国外に発送できないので、弦堂自身で運んで中国税関で説明する以外に方法がありませんから、入荷状況は対応がかなり窮屈です。完成次第アップはしていきますが、中国から急送は対応が難しい状況ですので予約できるようにします。また年に1台ぐらいの供給になると思います。

  • Nr.1 フル機能版(まだリンク切れ)
  • Nr.2 モバイル(まだリンク切れ)


美味しそうだ。実に美味な薫りがしそうだ。




中国製トランスを使うとどう変化?

 以下の音源はヴィンテージトランスCを使っていますが、基本的にどれも大きく変わりません。トランス外面の銀色のケースは関係なく、中に巻いたものが入っているだけですから。Cは露出しているんですね。現代のトランスはもう少し癖がないですが、傾向としてはやはり変わりません。

 以下の録音はまた削除に遭いましたので、ここは諦めて弦堂の老師の録音を使い、時間のある時に再度アップすることにいたします。何度もご迷惑をおかけします。



 歌モノがわかりやすかろうと思ったのですが、著作権の問題でほとんど扱えません。しかし烏龍茶の広告に使われていたというこの作品は問題ないようなので使わせていただきました。テレサテンで行きたかったのですが、現状無理みたいですね。そして古い音源の中から30年代の上海歌曲を使おうと思ったのですが、これも著作権があるらしい、もう80年から経っているのですけれどもまだ権利があるということで、この辺は難しいですね。さて、1つ目は何もしていないそのままのmp3です。2つ目は中国製トランスを通したものです。音が大人しくなっています。大人の会話になっています。非常に落ち着いた静かな感じがします。そして若干立体感を失っています。女声はしっとりシルキーです。落ち着いてはいますが音像はより前に出ています。オリジナルの引っ込んだ感じが決して悪いわけではありませんが、落ち着いたら引っ込むわけではないという一見矛盾するように思える違いが確認できます。3番目で後段にコンプを入れるともう少し音が凝縮されます。使ったのはRupert Neve Designs 5015です。今はおそらく販売しておらず、ボロいのを中古で買ったものですが(古い方がエージングが利いているし初期不良の心配もないというメリットがあります)、ゲインリダクションを最大でも5dBに抑えてありますがこれは若干強めのような気がします。ここではこれぐらいでわかりやすい方が良いと思います。この状態でトランスだけ冷戦時代、東独のRFTが製造したトランス変えます。胴鳴りに木の薫りがします。音が木の味がします。貴族的な品というものが感じられます。中華のトランスにも貴族的な響きがあります。しかしそのイメージするところは違うということがわかります。それはローマ帝国と清朝の違いでしょう。毒があるのは中華の方です。東独は洗練されています。東独RFTは他のメーカーのものに繋ぐと個性が消えます。すごく虐められやすいんですね。だけど何もかもRFTで統一は難しく、どうしてもいろんなものに挟まれます。ドイツ物だと良いですし、日本製もあまり虐めないので良いのですが、英米とは合わない傾向があります。本来は非常に清らかなサウンドです。東欧の古い街のような雰囲気があります。続いて、60年代英国のマリンエアを使います。ロックのバックバンドみたいな響きです。女声は律儀で、甘ったれた所が失われています。大変残念です。島国の悪いところが出たんじゃないか?躾すぎも良くない、ある意味そういう感じもしないでもありません。何でこうなるんだろ? こういうところでレディーファーストというのがかえって違和感があるような気がします。しかしサウンドの重厚感と構成感は失ったものを忘れさせるほどの素晴らしさがあります。確かに素晴らしいのですが、欧州のトランスは音が活き活きし過ぎているように思います。立体感があるからだと思います。東洋とは随分感覚が違うことがわかります。適材適所で使っていかねばならないということがわかります。東洋の中国、また日本もそうですが、立体感を捨てて音そのものの濃密度を愛するというのも別の説得力があります。

 続いてパソコンに入れるプラグインでも試してみたいと思います。プラグインに挿した音を外部に出してトランスに通すので繋ぐ順序が逆になります。外部のレコーダーに録音しているためですが、パソコンに音を戻すのであれば、トランスを通した音にプラグインを挿すことができます。しかしライブでは出した音はおそらく戻さないと思うので、とりあえずこれで試したいと思います。プラグインは全てWavesが販売しているものです。全体的にそれぞれ固有の特徴はあるもののメーカーが同じですから基本は同じという感じがします。同じトランスを後段に置いていることも関係があると思います。スピード感とか音の丸みとかそういうところで個々の違いがありますが、コンプはもとより使っていることがわからないように使用するものなので、そんなに違いがあっても困るのですが、いずれもしっかりと仕事は果たすという感じがします。ライブなどで外部に持ち出すのであればプラグインは重量がないので(パソコンが要りますが)その方が良いということもあると思います。ライブにおいては会場の隅々まで音を浸透させる必要があることからコンプは必需品だろうと思いますが、本稿の音源からその必要性は感じられると思います。PAさんがいて機材もあってというところであれば何も考えなくてもやってくれますが。プラグインは確かに綺麗ですしよくできているのですが、最大の違いは生命感だと思います。本稿の例ではトランスを入れているので相当良くなってはいるのですが、それでも比較しますと違いは明らかです。ただ音そのものはよくコピーできていると思います。

 最初はSSLのバスコンプを挿してみます。世界のレコーディングスタジオは主に英SSL,Neve(元は英、現在は米、アルゼンチン人),米APIあたりが使われています(古いものも含めるともう少しいろいろありますが)。こういうプロ用の高い評価を得ているものはもうめちゃくちゃ使っても、どのセッティングでも魅了されてしまう音が出ます。一般のは、極端なセッティングだと音が痩せます。かなり控えめでないと使えません。ストライクゾーンが狭かったりします。紙に書いてあるスペックは凄いし、確かに音は出るのですが。中古でもいいので、中途半端なものは買わないようにするということと、コンプは気に入らなくても売らない、他のコンプと数珠つなぎで使うと非常に良いので置いておかねばなりません。いずれにしてもコンプはうっすら掛けるのが良く、これだと大体どんなものでも使いようがあるからです。本稿のサンプル音源は最大でも5dBということでしたが、安価なものだとこんなに掛けちゃうと使える音は出ないことが多いと思います。よくあるのが強烈に音痩せするパターンです。だからプラグインは名機のモデリングでなければ、あるいは完全に新作でないと作れないと思います。モデリングが出ている時点でかなり評価されているものと見做すことができます。そこでスタンダードに最も近いと思われるSSLから始めてみました。プラグインとしても一応標準的なものと考えても良いと思います。

 次に米APIを挿してみました。これはヴィンテージに変えるスイッチがあったのでそれもONにしてみました。すごく表現が明るいですね。ディズニーに合いそうな感じです。天真爛漫な表現です。プラグインでこういうところを復刻したのはすごいですね。東洋とは全然違います。相性は悪いと思います。アメリカンはとにかく中国と合わないですが、本稿ではアウトボードを入れている方では一部に米WesternElectric社の戦前のケーブルを使っています(プラグインでは使っていません)。油でコードを浸したもので、非常に活きの良い音が鳴ります。プレスリー的な。あまりアメリカンが強く出るのは困りますが、そもそも英国の技術は米国からの転出だったので古いものであれば共通点もあるし、よく馴染むこともあります。

 Fairchild 670の実機は非常に控えめで品があり、落ち着きをもたらします。60年代ニューヨークで収録された名盤の数々にはこれが使われていますが、ともすると快活になりすぎる感のある米音楽に王者のような重厚感でしっとり聴かせていた本機がなければ彼らの成功自体がなかったのではないかと思えるぐらいのインパクトがあります。この最終ウエポン、総重量が30kgにも及ぶとされる大型爆弾の炸裂は科学技術の進んだ現代でも評価が揺らいでいません。プラグインはまあ似た感じの音が出るかな?ぐらいですが。プラグインは控えたところが足りないし、一方は本来しっとりしたものですから相性は悪いでしょうね。音というよりも雰囲気が良いというタイプのものとプラグインは合わない気がします。もしかするとこれは670と中華トランスという似た物同士で合わない例なのかもしれません。

 次に英EMIスタジオで使われていたというTG12345を挿します。これは謎めいたつまみが幾つかあるのでいじりますが、だんだんこのようにおかしくなりました。だけどとりあえずこれでいってみました。妙に響き過ぎでいささか聞き苦しさがありますが、プラグインでこういうこともできるということだと思います。

 光学素子を開発した人自ら製造したというLA-2Aです。光学素子特有の良さがよく出ていると思います。この例の場合はすでに商業録音として完成しているところにさらにオプトのコンプレッサーを入れるということなので、ちょっとスピード感に問題があるような感じがしますが、録音したままの音源であれば結構良さそうな印象は感じられると思います。

 1176はアタックが早い特徴があるので活き活きと感じられます。使いやすい感じがします。これを気に入って実機を買うともっと強烈なのでびっくりすると思います。貸しスタジオに1176は大概あると言われるぐらい普及しています。J-Popでもかなり使われているのですでに世間でお馴染みのサウンドです。どちらかというとこのタイプはドラムとか弦楽器だとバチを使うようなタイプに使われると思うので、二胡で実機の場合は光学式が合うし比較的小型で安価なものもあるので持ち出しにも有利ですが、演奏技術が高い人も少なくないのでそういう方はスピーディーな方が良いという場合もあるかもしれません(光学式が必ずしも鈍いとは限りませんが)。

 似たようなアタックの早いタイプでNeve 2254とも比較してみます。落ち着いた静かな感じがします。ムードがあります。この曲でプラグインの中では2254が一番合っているような気がします。これはWavesのVシリーズ、スタンダードモデルの中に入っているものなので一般的なものなのですが、結局普通のが一番良いのかもしれません。実機もNeveでしたが、ほとんど違いがない感じさえします。実機はVCAタイプですが、FFモードで高速にしてあるので非常に似てきているのだと思います。音の活きだけ差があります。トランスで差を埋めるも限界があることがわかります。どうしても聞きたくなるのは実機の方ですが、この差をどうみなすかというところになってきそうです。




二胡弦堂
創業2008年 二胡弦堂