楽器の発送は年末年始や、毎週月曜日など運送が込み合う時はなるべく避けた方が良いと思うようになっています。特に大きな問題が発生しているわけではないので急がれる場合はその限りではありませんが、月曜は非常に荷物が多いということですし一日遅らせれば空くので、特に急がれる理由がない場合は雑に扱われかねない曜日はできれば避けた方が良いように思います。気持ちの問題ですからご指定がなければ月曜日でも発送することはあります。
付属品はケース、弓、駒、変え弦、綿、松脂といったところです。基本的に必要なものはセットで入っております。
このうち、ケースについてですが工作が荒く、日本の基準で製品と呼べるものは中国にはないと思います。それでも各販売店、かなり神経を使って仕入れていると思いますし、中国では問題視されていないので、どの程度の基準で見るべきか、そういう難しいところでかろうじて受け入れられている、或いは我慢されているものだと思います。以前、小店でもグラスファイバーを使ったカラーのケースを扱っていましたが、外観は綺麗ではあるものの耐久性には疑問がありましたのでやがて販売停止しました。その後、大幅に改良されたとは言いますが、これは中国人基準の改良でありますので実態を把握するとドン引きする「改良」であるのはいうまでもありません。ケース全般に関しても未だに全体的に状況が改善されていません。完全に問題がないケースは1つもないんですね。色々調査しましたが、作っているところが限定されている状況では限界があります。それでケースに関してはおまけ程度でご理解下さいますようお願いいたします。ちょっとシミが見られる程度のものは割引で対応しますのでご購入前にリクエストいただければ対応できます。小店では、質の高いケースを求めるニーズについては日本国内でギターのケースをオーダーできる店で作ってもらうことをお勧めしています。検索でたくさん出ると思います。
付属品の中に「収蔵証」は入っていません。通関書類CITESを申請する時に必要なものなのでその時に使われますが、CITES発行の時に林業局でパンチで穴か窪みを開けられ、これを以って使用済み扱いになります。使用済みのものは要らないのではないかと。うちではさらに一歩踏み込んで、二胡にもシリアルを入れないで欲しいと各工房にお願いしていますが、今のところ呂建華だけ応じて貰っています。通関書類は日本に送る場合だけ必要なので、収蔵証は日本人が好むように作ったものだと思います。それだったら付属して楽しんで貰ったらいいのですが、どういうわけか、ここのところこのカードの劣化が著しく、なおさら不要なのではないかと、それぐらい思うのです。欲しいという方には探して付属しますが、もう綺麗なカードではないということがしばしばです。カードの存在そのものが、日本人向けに何かを証明しているような権威付けするような中国の信用度を埋めあわせるようなあざとい部類のものですが、こういったものを受け取って喜んでいるようではいかんと思うのです。信用証明は中国発行のカードではなく自分自身でありたいものです。それで弦堂では、こういうカードは中国人におちょくられている気がするもので、引き出しに全部放り込んであります。このバカバカしさがおもしろいという向きにはしっかりカードを探して発送させていただいております。
二胡の在庫、発送状況は以下の通りです。予約有というのはお越しいただいてご覧いただくなどですぐに決らないものです。キャンセルになりましたら購入可に戻ります。"老体"はつまり中古のことです。中古と一口に言ってもいろいろあって、質の悪いものはスクラップ、良いものは価値が増します。良いもので渋味が出たものを「中古」と呼ぶのは違和感があります。それで老体といたしました。老体は蛇皮が駄目になっているものもあります。その場合は"老体貼替"と表記してあります。"老料"もあります。うちで買っているものはほとんど全部老料ですが、特に古いものは明記してあります。
製作中 中国に在庫 日本へ発送中 購入可 販売済
小店では満瑞興の黒檀が素晴らしいということで継続して購入する予定でしたが、満工房の方からは利益にならないので「販売したくない」老紅木を買ってもらいたいと言われています。老紅木は良材を使っており一方、黒檀はと言うと現行の材です。小店では他の工房から現行材を使ったものは買っていませんので、満工房からだけ現行材を買うのは例外的です。それでもこの黒檀が楽器として優れているのでこれが欲しいのですが、前から「買わないで欲しい」と言われ続けており、ついに販売を断られました。そうであれば価格を改定すれば良いと思うのですが、かなり体質の古い工房なので道理は通りません。そもそもこの話の展開も他国では有り得ない内容ですからね。しょうがないので満瑞興に関しては老体が出た時だけリストに追加することにします。満瑞興の老紅木ですが、工房の方は非常に自信があるようです。しかし弦堂の見解では駄作ではないかと思っております。しかし黒檀は実に古風な雅な音がするのです。
馬乾元二胡の価格について年に数件お問い合わせがあってどれも同じ内容なのでここに回答いたします。小店では馬乾元の蘇州のショップの写真だけでなく住所まで載せていますので、直接行って買われる方もおられると思います。しかし買わないで帰ってきて「なんで弦堂の方が安いのか」と質問される方がおられます(蘇州から質問される方もおられるのでしょうね)。少しならともかく大分差があったりします。小店は馬乾元から購入し通関や送料なども負担していますので本来はより高価になる筈で安いのは有り得ないことです。そこで違うものを売っているのではないかという疑いが出てきますのでそういう趣旨のご質問があります。小店は呂建華もご本人から買うより弦堂の方が安いと言われてきました。これは工房の方からちょっと言われたので価格を近づけましたが、馬師からは言われてないのでそのままになっています。写真を見る限り商品をごまかしてはいない風だから博打で小店から購入して現物を見るとやはり真品である上、すごい音が出るのでそれでどういうことなのかと後から質問される方さえおられます。質問をしない方が多い筈なので同じことを思っている方は多いと思います。小店から「わからない」と面倒くさそうな返事が返ってくるのでまた驚かれます。「あなたも中国まで行って調べてご苦労ですね」とからかわれたりもします。小店が馬乾元を非常に高く評価しているのは工房も気がついており、もう取引も長くなりますからおそらく価格面で面倒を見てもらっているのだと思います。皆様の方では「団体購入で安くなっている」ぐらいの感覚で良いのではないかと思います。売れないと高くなってくるのでしょうけれど、コンスタントにずっと出てますからね。こうしてボチボチ出ている間は現状で維持されていくと思います。
録音している演奏者は自由にいろんな人が参加しており、5人以上はいると思います。それで音がぜんぜん違うもののように感じられることもありますが、楽器そのものは変わりません。人によってこれだけ音が変わるということがわかります。そして少なくとも数ヶ月経つと判別が難しい程似た音になります。それで楽器を選ぶ時に録音のアップロードを参考にするのは事実上意味がありません。演奏者が替わるとどういう表情を見せるのかという観点から比較するなら意味があると思います。馬乾元の他の楽器、呂建華、胡涵柔についても同じことが言えます。複数の選択ができる場合は、外観だけで選ぶのが良いと思います。
上記「老紅木」と以下の「老料」はどちらも老紅木二胡ですが、材の年式が違います。音の質はほとんど違わないと思うのですが、古い材の方が見た目が良いと思います。古木ならではの風格があります。以降は「老料」だけ入荷することにします。
この馬乾元の黒檀材ですが棹には「黒紫檀」とあります。実際、一般に出回っている黒檀材とは違います。かなり古い材料を使っており、紫光壇と言うものです。蛇皮にはこの上の「老料」と同じビルマ皮を使っていますが使用部位が若干違うのかもしれません(わざわざ確認する程のこともありませんので聞いていませんが)。馬乾元では普及品の安価な二胡も大量に作っており、蛇皮の中級以下はそういう二胡にあてがっています。最良のものは老料や紫檀に使いますが、出荷量は僅かです。次点あたりのものはこういう黒紫檀などに使っていると思われます。この黒紫檀は小店で入荷している特注仕様の他の二胡とは違い、普及品に属します。普及品の最上位のもので工房を訪れた時に「これも見るように」と言われて確認したものです。クォリティはどうでしょうか。クォリティというとまず気になるのは高域まで音が均一に無理なく出るかどうかということです。全く問題ないどころか、馬尾の際まで綺麗に出ます。これは本黒檀ではありませんが、だけど本黒檀であれば出る独特の香ばしい音はこの二胡からは出ます。謎が多いところもやはり馬乾元です。しかし最大の謎は価格でしょう。安すぎないか・・・馬乾元のインド紫檀とか老紅木で満足された方はこれも狙ってみてください。もとより紫檀と老紅木では違うものなので比較はできませんが優劣もつけ難い、同格の魅力があります。この黒紫檀についても同じことが言えると思います。価格の差を考えると同格は有り得ないですがそれは材の希少性などで決まっている要素ですから、楽器としての魅力は違い、そしてどちらが優れているとも言えないと思います。満瑞興から買えなくなった材はこれより新しい材でしたが同種のものでしたので、弦堂の個人的趣味でこの材が好きなのかもしれませんがそれは古楽器に似たような味わいが出るからかもしれません。現行黒檀材の最高材がこの紫光壇と位置づけられているので、弦堂の個人的なものとも関係なしに評価はされているわけですが、その上、老料を使っているので実は貴重なものではないかと思う次第です。
以下、扁圆扁八あたりは二泉胡での使用も可能です。工房からのアナウンスではないので正式なものではありませんが、これらの大きさなど理論上の観点からも相応しいものと思います。参考まで。
中胡は写真のケースに収められていて木製なのですがかなり粗い工作です。新品とも思えないです。中国のケース全般はどうしても良いものがなく、どれも似たような水準なのでとりあえずは現状これで発送するしかありません。申し訳ないですがサービス品と思って下さい。細いところをあまり気にしなければ普通に使えます。呂建華が中胡を販売する時には特注品のケースに収めます。弦堂が「お!これは?」と言うと呂建華も「中胡のケースで良いものはないので特注した」と言います。それで弦堂で特注しても良いのですが、中国でそうするより日本で作った方がはるかに良いものができます。1万円ぐらいでできるらしいので皆さんの方で必要な方はそうしてもらおうかと思っています。中国では1万円では作れません。別の考え方としては弦堂自身はケースなど一切使いませんし持っていません。二胡を裸のまま持ち歩いたり、ザックに刺して背負ったりします。注目を集める可能性のある状況では風呂敷か縦長の布に入れることはあります。中国でもこういう人はいませんのでお勧めするのものではありませんが、ケースが絶対に必要かどうかも考えることはできると思います。
中国の場合は台湾あたりとは違い一人の人が全ての工程を手がけた二胡はほとんど存在しないと思いますが、それでも家族経営で製作していれば一貫性のあるものができるのは間違いないと思います。呂建華も木工職人の弟と作業しています。ここ数十年、馬乾元工房として製作されてきた二胡は素晴らしい品質を保っていますが、それは家族内で分業して専門化するのではなく、各々が全ての工程を手がけられる高いレベルというところにあるのは間違いありません。馬乾元はまだ作業しており、すべての項目をチェックしていますので、今なお一貫性のあるものが作られていますが、それとは別に師の二人の子息、もうすでにかなりの年齢でベテランなのですが、それぞれ別に個人で製作したものというのがあります。ベテランの職人が個人で全行程に直接手を入れたものは珍しいと思います。しかし内容はというと馬乾元と変わりません。馬偉忠さんは蘇州篆刻協会会員でいらっしゃる文化人ですので、中国の文化人としては馬偉忠さんの楽器が欲しいという一般にはないニッチなニーズもあります。馬乾元、有名ですし、文化人はそういうすでに誰でも評価できるものを持つのは嫌がるということと、やはり篆刻関係から発注はあるようです。また馬偉春の方が良いという人もいます。そういうことでタニマチ風情というか、そういった関係からの要求で用意されている作品ということになると思います。馬乾元のブランド性ではなく音そのものが欲しいのであれば、こちらの方が少なくとも価格面で有利です。本当は中国では馬乾元とこの両者は価格は同じです。そこを交渉して安くしてもらっています。分業と独工のどちらが良いかという優位性は全くないと思います。
印度紫檀については値上がりが頻繁で高額なためしばらく入荷していませんでしたが、ついに最近100万円を超えましたので、ご注文の際はご留意下さい。- 2014.06
高胡は二胡とほぼ同じ材が使われますが、紅木・老紅木と大雑把に括らず細かく分類されています。二胡の酸枝材などは紅木と呼ばれることもあれば紫檀として売っている場合もあります(間違っているわけではありませんが明確でもありません)。
文革期以前、以降に作られた古い二胡もあります。
弓 |
1万円 |
購入可 |
換弦 |
3000円 |
購入可 |
松脂 |
1500円 |
購入可 |
入門用紅木二胡