文革後期から以後あたりの古いものだと思われます。最初に感じられるのはまず、棹が太いということです。普通、少しぐらい違っても気にはならないものですが、持った感じが明らかに二胡に慣れている人であれば違和感を感じる程です。実際比較するとだいぶん違います。この時代の黒檀だから重いし、これだけ棹が太いと音も太くなるし、何もかも重量級といったところでしょう。古いものでありながら金属軸はまだしっかりしているし、花窓にも黄楊を使う贅沢な作りです。高音をしっかり伸ばすために竹筒を配するのですが、現代の工法とは変わってくれば音も違ってくるところが貴重です。最後の写真で印をつけていますが、鱗が一部失っている箇所があります。これがもし表側に3箇所ほどあれば張り替えるのですが、今後も自然に剥がれてくる気配はないし、何よりこの時代の皮を変えてしまいたくない、なるべく古き佳きサウンドを残したいということで、だいぶん考えたのですが残すことにしました。剥がれは何かを当ててのことだと思うので、乱暴に扱わなければ、再度このようなことにはならない筈です。まだしっかりしているので蛇皮の交換を検討せねばならない状況にはならないでしょう。どうしても張り替えたい方は敢えてこれを選ぶ理由がない、他にあると思うのでこの二胡の購入はしないで下さい。